■ ディスク容量には2つの値がある? (2008年08月04日)
パソコンを買うとき、カタログ値にあるハードディスク容量は重要な検討ポイントの一つです。買ってきたパソコンで、「マイコンピュータ」からハードディスクを選択して右クリック、「プロパティ」からハードディスクの容量を調べると、カタログ値より必ず5%
ほど小さい値が示されます。あれれっ! カタログ値のハードディスク容量は偽り?
今回は、ハードディスク・USBメモリ・フロッピーディスクなど、外部記憶装置の容量の表記方法について学ぶことにします。
<コンピュータ上で扱われる数値>
まず、2進数表現と文字を表示するに必要な容量など、基本的なことを復習します。コンピュータは、信号の「ある・なし」を「0と1」に対応させて作られています。「0と1」の2種類で表す数値は、2進数(binary number)と呼び、2進数1桁を1ビット(bit:小文字bで表示)といいます。さらに、8ビットをまとめて1バイト(Byte:大文字Bで表示)といいます。
コンピュータで8ビットを1バイトと呼ぶことには、大きな意味があります。8ビットで「0と1」の組み合わせを作ると次のように、合計256(2の8乗)通りの組み合わせができます。
00000000 0
00000001 1
00000010 2
00000011 3
------
11111110 254
11111111 255
さて、英語圏の人が使う文字は、アルファベット小文字abc ---、アルファベット大文字ABC ---、数字0123 ---、特殊記号#$%&?
--- など、合わせても100以内です。これらを特定の2進数に対応させる(コード化といいます)」には、8ビット(256通り)もあれば十分です。すなわち、半角の英数字の1文字のコード化に必要な容量は1バイトで、コンピュータ処理の基本単位を1バイト(=8ビット)とする所以です。
ただし、実際には7ビット(128通り)のASCIIコードが世界標準となっています。
<非常に大きな数や小さな数の扱い>
数値を扱う科学一般では、光の速度のように、非常に大きな数を扱わなければならないことが多々あります。その表現方法として、「10の何乗」というような冪乗(べきじょう)をよく使います。また、ナノテクノロジーのように、「10のマイナス何乗」というような非常に小さな数を扱わなければならないこともあります。
非常に大きな数や小さな数は、数学や科学一般では次のように「10の冪乗」(べきじょう)で表現して、下記のような冪乗記号を使います。当たり前ですが、例えば「10の3乗」とは「1000」のことで、「10のマイナス3乗」とは「1/1000」のことです。

ところで、コンピュータで使う非常に大きな数は、上記とは異なり次のように「2の冪乗」で表現します。そして、「2の10乗=1024」が「10の3乗=1000」に近いことから、コンピュータシステムでは、「1024」を一般の「1000」のように扱い、10の冪乗記号を流用する習慣になっています。

上図のように、コンピュータで使う「k(キロ)」は、1024(2の10乗)のことです。他の冪乗もこれに準じます。例えば、「M(メガ)」は1024×1024(2の20乗)のことであり、「G(ギガ)」は1024×1024×1024(2の30乗)というように定義します。
<ハードディスクの容量>
パソコンでは、ハードディスクやその他の外部記憶装置の容量を調べることができるようになっています。「マイコンピュータ」から目的のディスクを選択して右クリック、「プロパティ」の「全般」タブを見ます。下図は、カタログ値「40GB」のハードディスクの容量を調べたものです。

使用領域、空き領域、全容量が、「バイト」と「GB」(ギガバイト)で表示されています。「バイト」値より、「GB」値が少し小さくなっている点に注目してください。「バイト」値を1024×1024×1024(=2の30乗)で割算すると、その右に表示の「GB」値になることが確認できます。
このパソコンのハードディスク容量のカタログ値は「40GB」でした。実は、ハードディスクなどの外部記憶装置の容量を部品単体でいうときは、科学一般の10の冪乗を使う習慣です。上図の全容量40,057,007,760バイトを10の冪乗で表現すると、丁度(4捨5入)「40GB」になります。看板(カタログ値)に偽りはありません。
ただ、ハードディスクをコンピュータシステムとして扱うときは、「1024」を表示するのに一般の「1000」の冪乗記号を流用しますので、話が少しややこしくなります。上記の全容量「37.3GB」表示は、コンピュータシステムで扱うときの冪乗記号を使って表示しているのです。
外付けハードディスクや近頃人気のUSBメモリなども、単体部品として購入するときは、一般の冪乗記号を使った表現になっていますので注意が必要です。パソコンに組み込んで、ディスクのプロパティから容量を見ると、5%
ほど小さい値になっています。
<CD/DVD の容量>
CD/DVDの容量をコンピュータシステムとして扱うときは、前項のハードディスクの容量と考え方と同じく、「1024」を表示するのに一般の「1000」の冪乗記号を流用します。CD(単体表示700MB)とDVD(単体表示4.7GB)を、システムとして扱うときの容量を計算してみます。
それぞれのバイト値を 1024×1024(=2の20乗)、あるいは 1024×1024×1024(=2の30乗)で割算すると次のようになります。
CD:システム表示で668MB(単体表示のバイト値を1024×1024で割算)
DVD:システム表示で4.38GB(単体表示のバイト値を1024×1024×1024で割算)
<フロッピーディスクの容量>
下図は、「マイコンピュータ」から3.5インチFDを選択して右クリック、「プロパティ」の「全般」タブを見たものです。「バイト」値1,457,664バイトを1024×1024(=2の20乗)で割算すると、1.39GB(ギガバイト)になります。(図では、使用領域+空き領域=1.386GBの最下位桁を切り捨てて、全容量=1.38GBと表示しています)

フロッピーディスクの容量は、一般に「1.44MB」と呼称されます。書籍やPCカタログなどでは、全てそうなっています。上図にはその値が何処にも見つかりません。この「1.44MB」とは、一体どこから来た値なのでしょうか?
フロッピーディスクをほとんど使うことがなくなった今となっては、実用上はどうでもいいことですが、気になりますのでGoogle先生に聞いてみました。
一般のPCの内蔵フロッピーディスクのスペックは、「3モード(1.44MB/1.2MB/720kB)」となっています。古い2DDフォーマットは2進数に基づき「720kB」と表記してきましたが、その後に2HDフォーマットを採用したとき、丁度その倍の容量があるということをユーザーに示すために「1.44MB」と表示した、というのがその由来のようです。
もう少し詳しく説明します。PCで2DDの生フロッピーを2DDフォーマットすると、(512バイト/セクタ)×(9セクタ/トラック)×(80トラック/面)×2面 で737,280バイトの総容量となり、1024(2の10乗)で割ると720kBとなります。
720kBの2倍は、720kB×2 =1,440kB =1.44MB ということです。ただ、2DDの720kBは2進数表記ですが、1,440kB
=1.44MB は10の冪乗(10進数)表記です。フロッピーディスク容量の「1.44MB」の呼称は、2進数表記と10進数表記が混在する歴史的事情があったようです。
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