マルチメディア

WindowsXPを前提に説明してあります


<ホームページの必要な部分のみ印刷する方法>
 ホームページの印刷したい部分をドラッグ(反転表示)して選択し、「ファイル」~「印刷」をクリック ~「印刷」ダイアログの「選択した部分」にチェック ~「印刷」ボタンを押します。


■ 動画のファイル形式とコーデック (2009年03月17日)

 インターネット上の動画をパソコンで見る機会が多くなりました。DVDレコーダで録画した映像をパソコンで見ることもできます。ビデオカメラやデジカメで撮った動画をパソコンで見るのも楽しみです。ところが、これらの動画をパソコンで100%再生できるか? というと簡単ではありません。自分のパソコンで再生できても、他のパソコンで再生できる保証もありません。
 動画の記録形式は多様で、統一した規格あるいはデファクトスタンダード(事実上の業界標準)が存在しないことがその理由です。今回はデジカメの動画機能の話から、動画データの扱いの基本をみていくことにします。

<デジカメの動画記録形式>
 デジカメをはじめとするデジタル動画には、大きく「ファイル形式」と「圧縮方式」の2つの属性があります。この2つが一意的に決まらないことも多く、再生プレーヤでのデジタル動画の扱いを難しくしています。しかし、動画を効率的に扱うためには必然のテクノロジーでもあります。
ファイル形式---動画と音声のデータを管理する形式:
 AVI(.avi)、QuickTime(.mov)、MPEG(.mpg)など
圧縮方式-----ファイルサイズを小さく圧縮する方式:
 MotionJPEG、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、DivX など

 市販のデジカメ動画のファイル形式はAVI(.avi)か QuickTime(.mov)、圧縮方式はMotionJPEG形式、音声はWAVE(拡張子は.wav)形式のものが多いようです。代表的なデジカメの動画形式を下図に示します。

 

<MotionJPEGと2つの拡張子>
 動画や音声は何らかの圧縮をしますが、この圧縮プログラムを「コーデック」といいます。上図のようにデジカメ動画の圧縮方式で、採用例が多いコーデックがMotionJPEGです。もともとデジカメが持っているJPEG圧縮エンジンを利用できるからです。MotionJPEGの実態はJPEG圧縮した画像を連続記録したもので、比較的高画質ですが圧縮率は低く、デジカメ動画ぐらいにしか使われません。
 MPEG-1は主にVideoCD用ですが、ソニーのデジカメにも使われています。MPEG-2はDVDやデジタル放送に用いられる圧縮方式です。MPEG-4は主にインターネット用ですが、将来的にはデジカメにも採用されると思われます。

 動画を再生するとき、圧縮したコーデックと同じコーデックがなければ再生できません。ややこしいのは、コーデックに同じMotionJPEGを採用しているデジカメの拡張子が、メーカーにより「.avi」と「.mov」の2種類あることです。つまり、拡張子のみではコーデックが分からないのです。
 まず、.avi という拡張子ですが、AVI(Audio Video Interleaved)形式はかなり曖昧な規格で、ファイル形式だけの規定であり、保存される動画データの圧縮方式は規定していません。そのコーデックには無圧縮、MotionJPEG、DivX(MPEG-4準拠)などと数種類あります。キヤノン・富士フィルムなどは、自社の動画をAVI形式と呼び、撮影した動画データの拡張子は .avi です。
 一方、.mov はApple社が開発したQuickTimeの動画形式です。元祖「動画デジカメ」といわれる三洋電機は、その拡張子を .mov としました。QuickTimeはもともとMotionJPEGのコーデックを持っていますが、古いWindows Media Player にはMotionJPEGのコーデックがなかった(現在は持っています)というのが理由です。パナソニック・オリンパス・ニコンなどはこれに習ったようです。ちなみに、「デジカメ」「動画デジカメ」「ムービーデジカメ」は、三洋電機の登録商標です。

<デジカメの動画機能の例>
 私の持っている普及型デジカメ2台で、概略の動画機能の仕様をみることにします。
◇Panasonic DMC-FS3(2008年購入)
 ・画素数:(縦横比4:3のとき)640×480(VGA)または320×240(QVGA)
       (縦横比16:9のとき)848×480
 ・コーデック:MotionJPEG
 ・拡張子:.mov
 ・コマ数/秒(=fps: frame per second):30 fpsまたは10 fps
 ・録画可能時間:(縦横比4:3)640×480で、SDカード1GBに30 fps 11分、10fps 33分
            (縦横比4:3)320×240で、SDカード1GBに30 fps 33分、10fps 95分

◇富士フィルムFinePix 50i(2001年購入)
 ・画素数:(縦横比4:3)320×240(QVGA)
 ・コーデック:MotionJPEG
 ・拡張子:.avi
 ・コマ数/秒(=fps: frame per second):10 fps
 ・録画可能時間:320×240で、スマートメディア128MBに10fps 13分

<再生プレーヤの例>
 有名な動画の再生プレーヤには次のようなものがあります。これらの再生プレーヤは多くのパソコンにプレインストールされていますが、必要に応じて下記画像をクリックして、ネットから無料で最新版をインストールすることもできます。

 

 動画を再生しようとしたとき、普通に再生できない場合があります。動画の再生とは何らかのコーデックで圧縮された動画を伸張(元に戻す)することです。再生プレーヤをインストールするときに、最新のコーデックが自動的にインストールされるため、コーデックのインストールは通常は必要ありません。ただ、再生プレーヤは全てのコーデックを内蔵しているわけではありませんし、再生プレーヤによって内蔵しているコーデックの種類も異なります。

 参考までに、デジカメ動画やインターネット動画などの代表的な記録形式と、再生可能なプレーヤを下図に示します。動画をインターネットで公開するには、ファイル容量を比較的小さくできるwmv、rmが推奨です。

 

<コーデック = エンコーダ+デコーダ>
 動画の再生とは何らかのコーデックで圧縮された動画を伸張(元に戻す)することで、再生にもコーデックが必要です。コーデック(CODEC)とは、符号器と復号器(Coder/Decoder)の省略形で、データを圧縮/再生するためのプログラム(ソフトウェア)です。このコーデックの存在が、動画の扱いをわかりにくくしている一面があります。
 コーデックは、圧縮のコーデックを「エンコーダ」(encoder)、再生のコーデックを「デコーダ」(decoder)と呼ぶ場合もありますから、用語の使い方には注意を払ってください。
 もともとデジタルデータを一定の規則に従って、目的に応じた符号に変換することを「エンコード」(符号化)といい、エンコードを行う機能(ソフトウェアやハードウェア)を「エンコーダ」といいます。ただ、マルチメディアにおいては、エンコードはファイルの圧縮(高効率符号化)という意味合いが強いようです。
 エンコードの対義語を「デコード」(復号化)と呼び、エンコードした情報を元に戻す機能が「デコーダ」です。動画の再生に必要な再生コーデックを単にデコーダともいいます。

(注)ネット上でコーデックを調べると、コーデック(CODEC)は「Compression/Decompression」の省略形であると書いてあるサイトが約半数あります。「圧縮」という意味を強調しているのでしょう。

<AVI形式とコーデック>
 MicrosoftのWMV形式とそのコーデック、およびRealNetworksのRM形式とそのコーデックは、それぞれ一意的に決まっています。 また、MOV形式は一貫していますが、コーデックは若干の変遷があるため互換性に注意が必要です。

 特に、古くからあるMicrosoftのAVI形式は、自身でコーデックを定義していない点で特異です。AVI形式はファイルを圧縮するためのアルゴリズム、つまりコーデックがファイルから独立しているのです。そのため、.avi という拡張子のついた動画ファイルでも、コーデックがないために再生できなかったり、また再生できても画質・サイズなどが異なったりすることがあります。
 Microsoft は「Windows Media Video」(WMV)という新しいフォーマットを制定し、拡張子としてのAVI形式は主流から外れる方向の道筋をつけました。ところが、それにも関わらずAVI形式はいまだに現役であり続けています。その大きな理由は、逆説的ですがコーデックを選ばないことです。例えば、ビデオカメラに使われるDV形式や、DivXを使ってエンコードする場合も、Windows環境ではAVI にするのが一般的です。最近利用が始まったH.264でも、やはりAVI を使うことが多いようです。

 新しいコーデックを作っても、それをサポートするためのファイル形式がなければ利用するのは難しく、新しいフォーマットを作るとなると、それを再生するためのプレーヤや、生成するためのエンコーダも用意しなければなりません。ところがAVI形式を使うと、コーデックさえ提供すれば、プレーヤやエンコーダはすでにあるものを使うことができるので、非常に手軽だからです。そして、新しいコーデックが最新技術(DivXやH.264もそうです)を提供してくれれば、AVI形式は十分魅力的です。そういうわけで、Microsoft はWMVを前面に押し出しているものの、AVI形式は引き続き使われ続けるでしょう。

(注)DivXH.264
 DivX はDivX,Inc.(旧称DivX Network)がMPEG-4技術をベースに開発したビデオコーデックで、「ディビックス」や「ディベックス」と読むことが多いようです。DivXは無償で利用でき、MPEG-1やMPEG-2に比べ圧縮効率に優れ、動作速度も速いことから草の根で人気を博し、広く使われるようになりました。長時間の映像を高画質でCDメディアに記録する場合や、複数のDVDビデオを1枚のDVDに収めるときに便利です。
 H.264 は ITU-T(国際電気通信連合)によって勧告されたビデオコーデックで、ISO/IECでも 「MPEG-4 Part 10 Advanced Video Coding(通称:MPEG-4 AVC)」として規定されています。どちらも技術的には同一のものであり、両者の呼称を「H.264/MPEG-4 AVC」と併記することが多い。
 H.264 はMPEG-2の2倍以上の圧縮効率を実現するとされています。携帯電話向けデジタル放送「ワンセグ」、次世代DVDの「Blu-ray Disc」、ソニーのゲーム機「PSP」、Apple社の音楽プレーヤ「iPod」、マルチメディアソフト「QuickTime」などで標準動画形式として採用されています。