マルチメディア
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■ DVDが再生できない? (2009年04月02日)「貰ったDVDが、自分のDVDレコーダで見えない」「デジタル放送を録画したDVDが、自分のパソコンで見えない」、こんな質問をよく耳にします。もともとDVDメディアは、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM に加え、DVD+R、DVD+RWなど種類が多様で選択が難しい上に、「私的録音録画補償金」や「CPRM」などの著作権保護のための仕組みが絡み、一般の人にはDVDメディアとDVDレコーダの世界を見えにくくしています。 今回は「DVDが再生できない」いろんなケースを考えてみましょう。ただし、内容は旧来のDVDレコーダやデジタル放送についての話とし、Blu-ray Disc (Blue-ray Disc ではない!) やハイビジョン放送については触れないことにします。 <著作権保護とDVDメディア> 物理的に同じDVDメディアが、同じ店内の2つの売り場で、別の用途として売られています。テレビやDVDレコーダの売場では「録画用」として、パソコンの売場では「データ用」として異なるパッケージで置かれています。 しかし、両メディアに性能的な違いはなく、著作権保護の法的運用面から2種類になっているに過ぎません。録画用をデータ用に使うことは可能だし、逆にデータ用に映像を録画することもできます。下図は日立マクセル社のDVD-Rの一例です。左図には「録画用」「CPRM」「地デジ対応」、右図には「データ用」などの表示が見えます。 ![]() では、録画用はデータ用とどこが異なっているのでしょうか。細かいことですが、著作権保護の仕組みから次の2点が異なっています。特にCPRM 規制に絡んで、「DVDが再生できない」事例が多発しています。 ① 録画用メディアには「私的録画補償金」が価格に上乗せされています。 録画用DVDメディアに、補償金を前もって上乗せしておき著作権者に分配する制度があり、卸値の1%が上乗せされています。しかし、最近はDVDレコーダの普及により録画用の方がよく売れるので、データ用より安いこともあるようです。 ② 録画用メディアは「CPRM対応」のものが普通です。 2004年4月5日から、デジタル放送に「コピーワンス」という規制が加えられ、その録画にはCPRM に対応したメディアが必要となりました。したがって、DVDレコーダ売場の録画用メディアの多くは「CPRM対応」のものが売られています。ただ、アナログ放送やビデオカメラなどの地デジ以外の録画用に、CPRM非対応のものも録画用として売られているので注意が必要です。 (注)CPRM(Content Protection for Recordable Media) CPRM はデジタル放送の「コピーワンス」に使われる暗号化技術です。デジタル放送にはこのコピー制御信号が同時に送られて来ており、CPRM対応のメディアでなければ録画できません。デジタル放送を録画するDVDレコーダも、CPRM対応である必要があります。さらに、これを再生する場合も、CPRM対応のDVDプレ-ヤや、CPRM対応のパソコンでなければ再生することができません。 ◇DVDが再生できない? Answer:デジタル放送を録画したDVDが再生できない場合、再生するDVDプレーヤ/レコーダが、CPRM に対応しているか調べる必要があります。2004年春ぐらいまでのDVDプレーヤ/レコーダには、CPRM に対応していないものが殆どす。 パソコンで再生する場合も同様です。デジタル放送を録画したDVDをパソコンで再生するには、DVDドライブと再生ソフトの両方がCPRM に対応している必要があります。 <DVDレコーダは RAMタイプか、RWタイプか> まず、記録型DVDメディアの種類を復習しておきましょう。DVDメディアは書き換え型(編集や部分消去可)のものと、追記型(書き換えや部分消去不可)のものに分類できます。 ![]() (注)DVDメディアとDVDレコーダ 今後の説明を容易にするため、メディアの種類はその大部分を占めるDVD-RAM、DVD-RW、DVD-Rの3種類として話を進めます。また、DVDプレーヤやDVDレコーダは、両者をまとめてDVDレコーダと書くことにします。 さて、DVDレコーダは、書き換え型DVDメディアの違いにより、国内では2つのグループに分かれて覇を競っています。「DVD-RAM」を掲げるPanasonic、東芝、日立、NECなどのRAM陣営と、「DVD-RW」を掲げるソニー、シャープ、パイオニアなどのRW陣営です。 DVDレコーダを購入するとき、RAMタイプにするかRWタイプにするか迷います。2004年春頃までのDVDレコーダは、RAM陣営はDVD-RAMとDVD-R、RW陣営はDVD-RWとDVD-Rという単純な対応のみでした。従って、DVD-RAMとDVD-RWの再生は、両陣営の間で再生互換性はありませんでした。 デジタル放送のCPRM規制が始まった2004年頃からは、相手陣営のDVDメディアへの多彩な対応が進んできました。現在ではRAM陣営では「DVDマルチ」、RW陣営では「スーパーマルチ再生」と呼んで、録画と再生の両面で両陣営間の互換性がかなり可能になっています。下図はPanasonic社のDIGA ホームページから抜粋しましたが、多彩なDVDメディアへの対応が確認されます。 ![]() ◇DVDが再生できない? Answer:2004年春頃までのDVDレコーダは、RAM陣営はDVD-RAMとDVD-R、RW陣営はDVD-RWとDVD-Rという単純な住み分けでした。従って、DVD-RAMはRW陣営のDVDレコーダで見えない、逆にDVD-RW はRAM陣営のDVDレコーダで見えない、ということがありましたがその原因は簡明でした。 2004年春のデジタル放送のコピーワンス制限以降のDVDレコーダは、多彩なDVDメディアへの対応が進んできました。少なくとも、相手陣営のDVDメディアは互いに再生は可能になりました。さらに、相手陣営の一部のメディアなら録画も可、というようにもなっています。詳しい互換性についは各社の機種ごとのカタログを見るしかありません。 <DVD記録方式は DVD-Videoか、DVD-VRか> 映像をDVDメディアにDVDレコーダで録画するには、2種類の記録方式があります。DVD-Video方式(通称 ビデオモード)と、DVD-VR方式(DVD-Video Recording、通称 VRモード)の2つです。DVD-Video方式は、もともと大量にプレスされて市販される映画などのDVDビデオ用の規格です。これによって書き込まれたDVDメディアでファイナライズをすれば、どんな機器でも再生ができるという特徴があります。しかし、編集・追記・部分消去などを行うことはできません。 そこでDVDレコーダが産声を上げた当時、一度記録した後に自由に編集・追記・部分消去などができるDVD-VRという記録方式を作りました。ただし、DVD-VR方式はDVD-Video方式との互換性はなく、かつ他社のDVDレコーダやパソコンでの再生互換性に欠けるという弱点がありました。 この2つの記録方式とDVDメディアとは、論理的にはどの組み合わせでも使えます。しかし、2004年春までは2つの記録方式の特徴から、下記のような組み合わせが大まかに決まっていました。 ![]() ところで、2004年4月5日のデジタル放送がCPRM規制を導入した時点からは、様子が大きく変わりました。ビデオモードの規格はCPRM技術に対応していないので、下図のように「デジタル放送は VRモードでしか録画できない」ということになるからです。 ![]() そしてデジタル放送の録画はCPRM による「コピーワンス」規制のため、DVD-R によるのが経済的になります。従って、「デジタル放送は CPRM対応のDVD-R にVRモードで録画する」という図式が一般的になってきました。 私の古いDVDレコーダ Panasonic DMR-E100H(2003年8月発売)では、DVD-R はVRモードでの録画・再生ができません。(DVD-RAM はVRモードに対応していますが、DVD-R はVRモードに対応していませんでした) ただ、現在販売されている新しいDVDレコーダであれば、どの機種でもCPRM に対応しており、かつDVD-R もVRモードに対応しています。 録画が終われば、VRモードでも一般的にはファイナライズをするようにしましょう。DVDメディアをファイナライズすれば編集や追記はできなくなりますが、他者に渡すときなどに再生互換性が格段に向上します。 ◇DVDが再生できない? Answer:アナログ放送やビデオカメラからDVDメディアに、ビデオモードで録画してファイナライズしたDVD-Rメディア(CPRM非対応のものでよい)なら、どんな機器でも再生することができます。DVDが見えないときは、そのDVDメディアの録画内容がデジタル放送でないか、そのDVDメディアがファイナライズされているかなどを確認しましょう。 デジタル放送をVRモードで録画したDVDメディア(CPRM対応のものに限る)を再生するには、DVDレコーダがCPRM に対応しているだけでなく、VRモードにも対応している必要があります。 また、デジタル放送をVRモードで録画したDVDメディアをパソコンで再生する場合は、VRモード・CPRM に対応したソフトが必要です。PowerDVDやWinDVDなどのDVD再生専用ソフトをインストールしてあっても、初回使用時に「CPRMキー」を要求される場合があります。その場合は、パソコンメーカーまたはソフトメーカーに問い合わせください。 <録画後のファイナライズ> ファイナライズ(Finalize)とは、記録型メディアのデータ構造を読み取り専用メディアのデータ構造に近づけ、再生互換性を高める処理のことです。ファイナライズをすると追記や削除ができなくなりますが、CD-R はCD-ROM、DVD-R はDVD-ROM にと、再生互換性を各々の読み取り専用メディアに近づけることができます。このファイナライズは録画した機器でしかできません。 ビデオモードでは、ディスクを録画した機器以外で再生する場合、ファイナライズの処理をする必要があります。ビデオモードではファイナライズをしないと、録画した機器でしか再生することができません。 VRモードのファイナライズは、基本的には不要です。DVD-RAM はファイナライズの概念はなく、操作の必要はありません。DVD-RW とDVD-RのVRモードは基本的にファイナライズは不要で、通常は他のVRモード対応のDVDレコーダでそのまま再生できます。ただ、殆どのメーカーでは再生互換性の保証はしていないようです。VRモードでもファイナライズすることをお奨め します。 多くのDVDレコーダは、「追加録画」や「ビデオ編集」を可能にするため、録画を終了しても一般的には自動的にファイナライズを行いません。ファイナライズは手動で行うのが原則ですが、「おまかせダビング」などで自動的にファイナライズする場合もあるようです。 どのDVDレコーダで再生するかわからない、不特定のパソコンで再生する、など再生互換性が心配な場合にはファイナライズをしてください。また、将来DVDレコーダの買い換えに備えて、「これ以上追記をしない」となった段階でファイナライズしておくと安心です。 |