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■ 遠隔PCサポート(3)−ダイナミックDNS編 (2007年03月01日)

 遠隔サポートソフトUltraVNCでは、ビューア側(サポートをする人)のグローバルIPアドレスを、SC実行パッケージ「sc.exe」の中に設定する必要がありました。一般のネットユーザーは非固定IPアドレス(動的IPアドレス)契約ですから、ルータ電源のOFF-ONで IPアドレスの値は変わってしまい、その対応が必要になります。
 自宅のパソコンをWebサーバとして公開する場合などでも同じ問題が発生します。今回は、このIPアドレスの変化に対応する方法として、多くの人が利用しているダイナミックDNS について説明します。

<ドメイン名とDNS>
 まず、DNS(Domain Name System)の話から始めます。DNS とは何ともとっつきにくい呼称ですが、名前解決システムとも訳されており、これならその意味も理解できそうな気がします。
 インターネット上のコンピュータには、「IPアドレス」という識別番号が世界で重複しないように割り振られており、データのやり取りはこれを目印に行われます。しかし、このIPアドレスは数字の羅列であり、人間にとって扱いにくいため、覚えやすい別名で「ドメイン名」として運用するようにしています。このIPアドレスとドメイン名の対応関係を管理しているのがDNSサーバ(またはネームサーバともいう)です。



 上図で、DNSサービスの働きを簡単に見てみましょう。パソコンのブラウザで、例えば「http://www.hoge.com/」へアクセスする場合、まず、DNSサーバへ対応するIPアドレスを問い合わせます。ブラウザは返ってきた答え(IPアドレス=xxx.xxx.xxx.xxxなど)を使って、該当するページへ「http:// xxx.xxx.xxx.xxx/」としてアクセスします。メールの送受信でも、同じ動作をします。詳しくは、DNSの仕組み のページを参照してください。

<ダイナミックDNSの仕組み>
 一般のDNS は、ドメイン名に対してIPアドレスは固定したもの(固定IPアドレス)として運用しています。ところが、殆どのネットユーザーは非固定IPアドレス(動的IPアドレス)契約ですから、ネットワークへの接続をOFF-ONする度に、新しいIPアドレスが付与されてしまいます。
 そこで、「IPアドレスが変わるごとにDNSの内容を更新」するシステムを考えます。このようにIPアドレスの変化に追随して、ドメイン名とIPアドレスの対応関係を更新するようにしたDNS をダイナミックDNS といいます。このようにすれば、自宅パソコンをWebサーバとして公開しようとする場合など、一意のドメイン名を利用することができます。

 ネット業界では、一般のDNSやダイナミックDNSを業としている会社が沢山あります。このダイナミックDNSサービスの提供は、プロバイダによるものと、これを専門に行う業者の2通りがあります。一般のネットユーザーは、これらダイナミックDNSサービスを提供する業者を利用することになります。
 かくして、ダイナミックDNSの利用が可能になれば、自宅パソコンをWebサーバとして公開することが可能になります。また、遠隔サポートソフトUltraVNC のSC実行パッケージ「sc.exe」の作成で、ホストの「アドレス」にIPアドレスに代えてドメイン名を指定することもできます。ルータ電源のOFF-ONの問題は一挙に解決してしまいます。

<プロバイダが提供するダイナミックDNS>
 多くのプロバイダは、契約ユーザーにダイナミックDNSサービスを提供しています。ここでは、「plala」の例を紹介します。「plala」から新しいドメイン、例えば「taro.plala.jp」などを貰えます。ここで ドメイン「plala.jp」は固定ですが、サブドメイン「taro」は任意に決めることができます。



 上図で、ダイナミックDNSサービスの働きを改めて見ていきましょう。図はWebサーバを公開しているダイナミックDNSサービス利用者が、@自ルータの電源を一旦切断して、改めてONにした直後と考えます。A「plala」から新しいIPアドレスが付与されます。B「plala」は同時にDNSサーバの内容を、新しいIPアドレスに更新します。CIPアドレスが変わっても、Web閲覧者は従来と同じドメイン名でWebサーバにアクセスすることができます。
 このように、プロバイダによるダイナミックDNSサービスでは、新しいIPアドレスを付与する都度、DNSサーバを更新します。こんな簡単なシステムですが利用には料金が発生し、200〜300円/月程度のようです。ちなみに、固定IPアドレスのサービス料は、2,000〜3,000円/月ぐらいのようです。

<専門業者が提供するダイナミックDNS>
 第三者のダイナミックDNSサービス業者は、プロバイダと異なりいつ利用者のIPアドレスが変わったかを知るすべがありません。この場合は、ダイナミックDNSサービスの利用者の方から、業者が管理するDNSサーバにIPアドレスの変化を通知する、という方法を採ります。
 そのためには、ユーザー側に 「IPアドレス登録ツール」を常駐させる必要があります。この登録ツールは、サービス業者によっていろんな手段が提案されています。例えば、次のような方法があります。

◇メールの受信を行なう。
 メールソフト(Outlook Expressなど)やメールチェッカー(LedBiff など)で、一定時間ごとに受信します。受信操作をしてもメールは入ってきませんが、受信チェックすることで、こちら側のグローバルIPアドレスがわかります。
◇自動通知のプログラム(DiCE など)を使う。
 一定時間ごとにIPアドレスを検知して、変化があれば自動で通知します。IPアドレスの通知は、日時指定または定期的にすることもできます。
◇ルータのダイナミックDNS機能を使う。
 近頃のルータはダイナミックDNS機能(IPアドレスの変化を検知し、且つ、その変化をDNSサーバに通知する機能)を内蔵しているものがあります。この場合は、「IPアドレス登録ツール」は不要です。

 さて、ネット上には 無料のダイナミックDNS のサービス業者が沢山います。業者のドメイン名にサブドメインを割り振ってくれたり、独自に取得したドメインを自宅サーバに関連付けしてくれるサイトがあります。私の場合は、ダイナミックDNSサービスのサイト 「MyDNS.JP」に、ここで取得したドメイン「tomy.mydns.jp」と、独自ドメイン「yytomy.com」を登録しています。

 

<MyDNS.JPの例>
 「MyDNS.JP」で、ドメイン「tomy.mydns.jp」などを取得し、ダイナミックDNSサービスを利用する方法を、具体的に紹介します。
@ 「MyDNS.JP」にユーザー登録する。
 初期画面の「REGISTER」メニューから、ユーザー登録をします。登録日より30日間利用がないと、登録は削除されるので注意してください。
A 「MyDNS.JP」にLOGINする。
 登録したメールアドレス宛に、MasterIDとPassword(ID/PW と略称します)が送られてきます。送られてきたID/PWを使って、「MyDNS.JP」にLOGIN します。
B ドメイン名を取得(DNSサーバに登録)する。
 「DOMAIN INFO」メニューからDNSの登録画面で、「ドメイン名」を「tomy.mydns.jp」、「ホスト名1」を「www」または「*」などと入力するだけでOKです。ここで、ドメイン「mydns.jp」は固定ですが、サブドメインは「tomy」など任意に決めることができます。
C IPアドレスをDNSサーバに通知する。
 DNSサーバに、自分のIPアドレスを「メール受信」などで教えます。具体的な方法は、下段の「続きを読む」で説明することにします。

 以上の操作で、ダイナミックDNSは正しく働いているはずです。IPアドレスの登録や更新をして、実際にDNSに反映されるまで5分程度要しますので、登録したのに反映されないと慌てないでください。
 ダイナミックDNSの動作確認をしてみましょう。この動作確認は、ログ情報 「LOG INFO」からできます。正常にIPアドレスの取得ができた場合は、次のように「from MAIL」などとして記録されます。
  [2004/08/23 10:54:41] MyDNS.JP IpInfo Update! from MAIL
 また、NSLOOKUP のページなどから、利用しているDNSサーバを調べることもできます。

----- 続き-----
 さて、私はダイナミックDNSサービスのサイト「MyDNS.JP」で、ドメイン「tomy.mydns.jp」を取得しました。このドメインを例に、「IPアドレス登録ツール」の使い方をみていくことにします。

<メールの受信操作によるIPアドレスの通知>
 「MyDNS.JP」の場合は、メールソフトでメール受信する方法が簡単です。受信操作をしてもメールは入ってきませんが、受信チェックすることで、こちらのグローバルIPアドレスが相手にわかります。また、送信サーバは実際には存在しないので、メールは送信しないでください。
  SMTP(送信)サーバ :smtp.mydns.jp
  POP3(受信)サーバ :mail.mydns.jp
  ユーザーID: MyDNS.JPのMasterID
  パスワード : MyDNS.JPのPassword
  電子メールアドレス :適当に!
 Outlook Expressを使う場合は、「ツール」〜「オプション」〜「全般」タブで、「メールの送受信」の「起動時にメッセージの送受信を実行する」と、「新着メッセージをチェックする」にチェックをしておきます。受信チェックの間隔は15〜30分ごとぐらいでいいでしょう。

<LedBiff によるIPアドレスの通知>
 まず、LedBiff をダウンロードして、解凍します。LedBiff.exeを開き、下記「設定」画面の「追加」ボタンを押します。



 「アカウントの設定」画面で、アカウント名(tomy.mydns.jp)、サーバー(mail.mydns.jp)、ユーザーIDとパスワード(mydns.jpから貰ったID/PW)を入力して、「OK」で設定は終わりです。「チェック1」でチェック間隔も決めておきます。このプログラムが自動起動するように、「スタート」〜「すべてのプログラム」〜「スタートアップ」に、LedBiff.exe のショートカットを登録しておきましょう。

<DiCE によるIPアドレスの通知>
 まず、DiCE をダウンロードして、解凍します。dice.exeを開き、下記 「設定」画面の「イベント」メニュー 〜「追加」をクリックします。



 「イベントの編集」画面で、サービス(MyDNS.JP)、ドメイン名(mail.mydns.jp)、ユーザー名とパスワード(mydns.jpから貰ったID/PW)を入力、「イベント有効」にチェックして、適当なスケジュール(IPアドレス変化時、7日毎など)を決めて、「保存」で設定は終わりです。このプログラムが自動起動するように、「スタート」〜「すべてのプログラム」〜「スタートアップ」に、dice.exe のショートカットを登録しておきましょう。