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1.取材訪問
杭東さんの長尾元町のご自宅をお訪ねしますと、まず目に付きましたのが、部屋に立て掛けられておりました何台かの薩摩琵琶でした。それを見て、今日はその薩摩琵琶の生演奏をお聴かせ頂けると期待をしながら取材を進めていきました。
事実、このホームページの後半でも紹介しますが、杭東さんの素晴らしい薩摩琵琶の撥さばきと薩摩琵琶の名曲「霧の川中島」の朗々たるお声をお聴きすることができました。
初めてお聴きする薩摩琵琶の素晴らしさに酔いながら、楽しくかつ有意義な取材ができました。
2.ご経歴と琵琶を始められた動機
兵庫県伊丹市、昭和18年(1943年)のお生まれで、当年67歳になられます。
昭和34年(1959年)松下電器・無線研究所へ入社され、その後松下電子工業・半導体研究所に転じ、58歳で退職されるまで一貫して”半導体パッケージ”の研究開発に精励されました。
薩摩琵琶との出会いは、高校在学中に詩吟部に入会し、最初は詩吟から始められました。 その後、昭和36年(1961年)に、廣瀬緻水会(ひろせちすいかい)
に入門し、昭和43年(1968年)伝位”奥伝”を賜ると共に雅号”詠水”と名乗り、錦心流薩摩琵琶への本格的な取り組みへと進んで行かれました。
3.薩摩琵琶の歴史
薩摩琵琶は宗教琵琶であった薩摩盲僧琵琶を源とし、武士の士気高揚と情操教育のために薩摩藩主が藩士に奨励したのが始まりとされます。
以後、薩摩琵琶は藩士の間で盛んに弾奏されて弾法も一段と洗練され、詞章も教育的なものから、戦記物など多くの曲が作歌されるようになりました。
明治維新の折り、上京した薩摩藩士の弾奏する薩摩琵琶を、多くの東京市民も聞き、その豪壮なところや音色のよさに共感しました。
薩摩琵琶には、現在、薩摩正派、錦心流、錦琵琶、鶴田流の4つの流派があり、杭東さんは、薩摩琵琶錦心流全国一水会に所属されています。
詳しくは、全国一水会のホームページをご覧下さい。
4.日常の活動
杭東さんは昭和36年、廣瀬緻水先生の下に入門以来、初伝、中伝、奥伝、皆伝、教師、総伝と薩摩琵琶の奥義を究められ、現在は全国一水会大阪支部支部長に就任され、薩摩琵琶の指導、普及に取り組んでおられます。
現在、薩摩琵琶の教室を大阪と岡山に持っておられ、演奏会と研修会を各年6回のペースで開催されております。
詳しくは、”杭東詠水”のホームページ”響心”をご覧下さい。
一番最近の演奏会は、今年7月21日に国立文楽劇場で「琵琶五人の会」に出演され、「鉢の木」を勇壮に演奏されました。
ここで、杭東さんの薩摩琵琶をご紹介します。お聞きになりたい方は次の曲名「霧の川中島」をクリックして下さい。杭東さんの演奏写真と音声のスタート画面が出ます。
薩摩琵琶の特徴である(1)押し干奏法と(2)腹板を叩くにご注目下さい。
※ 押し干奏法:一般弦楽器では音の高さを、絃の太さ、と絃長で決定されるが、薩摩琵琶は、これらにプラスして、指で絃を押える強さ(絃の張りの強さ)で音高を変える。音の余韻を様々に変化させることができる。
※ 腹板を叩く:撥で琵琶の表面(腹板)をよく叩く。勇壮的な演奏ができる
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