| はじめに |
|---|
|
定年退職後6年目に入っているが、その間ほぼ1/3の日時は全国の旧石器・縄文時代の遺跡巡りとその関連作業に費やしている。 毎月宿泊を伴う現地訪問も含め数回の遺跡巡りをたんのうしている。 20年間に及ぶアメリカ滞在の反動か、その間のブランクを埋めようとしているわけではないが、もっぱら全国行脚が続き、お陰で現役時代のブランクを補って余りあるほど津々浦々まで足を延ばしている。 日本人の源流を探し求めるほどに興味は尽きない! どうやら足腰が許す限り、いやその後も含めて生涯をかけた“道楽”として定着しそうな勢いである。 |
| 趣味の醍醐味・ステップとは? |
|---|
|
全体の約1/3もの日時を費やしている遺跡巡りの醍醐味・ステップとは?
事前情報収集→現地視察→マトメという一連のプロセスについて以下紹介する。 遺跡巡りへ向けての準備は先ず情報収集から始まる。考古専門誌を含めた刊行物・都道府県や市町村のホームページなどに目を通して、旧石器・縄文遺跡が所在する地域、発掘調査の経緯と現状、出土した遺構・遺物などの内容・重要性・特異性、現地アクセス手段などを事前調査・吟味の上当局とコンタクトする。 何事でもそうであるように、事前準備の良否が後々の満足度を左右する。 現地では先ず当該地域の歴史博物館・歴史民俗資料館・文化会館などで出展遺物・資料を閲覧し、担当学芸員との質疑応答を通じて、各遺跡の見所・特徴をつかみ、そして必ず遺跡現場に足を運ぶ。 |
沖縄県恩納村仲泊遺跡 |
鹿児島市の考古歴史館 |
新潟県津南町沖の原遺跡 |
|---|
|
上の写真は昨年訪問した縄文遺跡現場で、沖縄・鹿児島・新潟の各県は遺跡の宝庫として知られている。
旧石器・縄文遺跡の所在地は通例山谷間か、海岸段丘などの丘陵地にあり、現在の居住地・中心部より奥まった比較的遠い場所にあるだけにアクセスが不便なため、徒歩が時間的に無理であれば地元タクシーを利用する。 遺跡巡りの副次的メリットは歩くことにあり、最低10km/日は歩くことにしているが、田舎に入れば入るほど最寄りの鉄道駅からは遠ざかり、村落間の距離が延び、タクシーを必要とする。 田舎のタクシーは、観光タクシーでなくても地元情報発信ソースとしては極めて貴重であり、時間的に無駄なこともありバスよりタクシーを選択することにしている。 秋祭り・盆踊りなど永年の地元文化遺産は時として縄文時代にまで遡るかも知れず、厄除け・魔除け・豊穣などを祈願した風俗・習慣・祭事は、自然・天変地変を畏怖する縄文時代の精神世界と共通する部分があるように想える。 民俗文化的視点に加えて住環境的・地形的視点からも遺跡現場視察を行い、動植物蛋白源である山谷間、魚介類が棲む河川沿い、かつて海進時代には海岸線が直ぐ近くまで延びていた貝塚など、歴史的・地形的考察も欠かさない。 現地視察・調査後はパソコンとのにらめっこが続き、発掘情報・遺跡調査報告書などをベースに自己流の解釈・解説を付加して文書にまとめ・集積して、毎年自前の自己出版年次報告書を作成している。 |
自作著書
|
1997年から始め、昨年まで5年分の”全国遺跡巡り”という自作著書で、現在松心会館で参考に閲覧出来る。 カラー印刷までは自分でやり、製本だけは業者にお願いしている。 又各遺跡マトメ文書を抜粋・要約して、弊ホームページ「ようこそ!水野の“縄文写真館”へ」に掲載し、毎偶数月に年6回更新をしている。 弊ホームページは小中学校の考古・歴史科教材として使われることもあり、ホームページ開設後4年3ヶ月目の平成14年2月末現在25,000人を越えるアクセスを頂くと共に、多くの考古ファンよりの熱い声援と叱咤激励メッセージにより支えられている。 遺跡に関する具体的内容・調査結果などは弊著書・ホームページを参照頂きたい。 以上のような遺跡巡りのプロセスは日常の生活リズムと不可分であり、生きがいの重要な一部分でもある。 パソコンを駆使した一連の処理、即ち情報収集のためのホームページ検索、Webページ作成・掲載、文章入力・画像処理、編集・印刷などのパソコン関連デスクワーク及び長距離の現場回りに要するタフな足腰など頭脳・手足をバランスよく使い・鍛える手段としても、有効な趣味であると自負している。 |
| まとめ |
|---|
|
考古学的・学術的成果はともかく、遺跡巡りは定年退職後にかかわるいろいろな分野の中でも、身体全体を万遍なく使い、ストレスなしでバランスよく又心地よく機能させうる分野として極めて健康的であり、生涯伴にする価値あるテーマであると確信している。
考古学を選考し、大学聴講生として机上で勉強する選択肢もあるが、長年培ってきた現場・現物主義は脳裏・身体から切り離しようがない。 |