
ノヅチ伝説と禁野車塚(ひらかた昔ばなし)
古くは縄文時代から語り継がれているノヅチ(野槌・以下ツチノコ)の伝説が枚方にもありました。
市内を流れる天の川下流の河畔に、北河内では屈指の大きさを持つ前方後円墳「禁野車塚」があります。1700年位前に造られたとみられており、国の史跡に指定されています。【*惟喬親王(これたかしんのう)が車を乗り捨てられたので車塚という説があります。】
- 禁野車塚古墳(航空写真・・枚方市説明板より引用)
- 禁野車塚古墳の説明板
当時、この古墳周辺では田畑の無秩序の開発や、古墳内の盗掘が発生していましたが、そのような悪さをした者にはこの塚の主であるツチノコがたたりを与えるといううわさが広がりました。もちろん被葬者がツチノコではありませんが、「胴の短いずんぐりした生き物らしい、いや大きな蛇だ。」といつの間にか古墳の主は本当にツチノコにされていました。思えば水辺の精霊は正体が蛇であることがよくありますが、古墳の消滅を防ぐ意味で蛇にも似たツチノコを利用したのは、この土地に生きた先人達の優れた知恵であったと言えるでしょう。
- 禁野車塚古墳の入り口
- 古墳の前方部分
- 古墳の後円部分
ところで、ツチノコと言えば、日本各地で古く江戸時代以前から語り継がれている謎の生物(UMA・Unidentified Mysterious Animal)ですが、1970年代にはその捜索で大騒ぎとなりました。しかし、現在まで何も発見されていません。そんなところに正体はこれではないかと言われているのが、オーストラリアの生き物で、同じ70年代にペットとして日本にも輸入されているアオシタトカゲでは・・・との説が浮上しています。飼育放棄や、逃げ出したものが「胴が太く短い体形」「滑らかな動き」この外見や動きが、目撃者たちにツチノコとして認識された可能性があります。ただ、それ以前からあるツチノコ伝説との一致には無理があるという説もあり、依然ロマンを残したままではあります。
【*アオシタトカゲは、丸みを帯びた胴体と短い尾、そして独特の滑らかな動きが、ツチノコ伝説で語られる姿と一致する部分が非常に多いです。写真は表示できませんが、youtubeなどで「アオシタトカゲ」で検索すれば多く公開されています。】
以上
昔話の内容は、「枚方市伝承文化保存懇話会記録冊子」より引用させて頂きました。
イラストは「ACイラスト(会員)」より引用
2025年11月 HP作成:坂本 徳行
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