ひらかた昔ばなし「亀の恩返し」

亀の恩返し
― 千年の時を超えて息づく、ひらかたの昔ばなし ―

「今昔物語集」中央図書館より借用

 枚方に伝わる「亀の恩返し」は、楠葉最北の久修恩院と藤原高房の物語として知られていますが、その源流は『今昔物語集』十九巻「亀、報山陰中納言恩語」にさかのぼります。
『今昔物語集』(こんじゃくものがたりしゅう)とは**平安時代末期に成立したと見られる説話集であり、各説話の全てが「今ハ昔」という書き出しから始まっている事に由来する便宜的な通称である。(Wikipediaより引用)
 物語は、藤原高房が妻と子供と平和に暮らしていましたが、妻の没後親族の世話で迎えた後妻は自分の子ができると、世継ぎにするため先妻の子を疎ましく思うようになることから始まります。
 ある日、高房は淀川で鵜飼いを見物した際、料理されようとして捕えられていた大亀を哀れみ、買い取って川へ逃がしてやりました。

 後日、後妻は乳母に命じて先妻の子を淀川へ突き落とさせました。乳母は涙ながらに高房へ「坊ちゃんが川に落ちて流されました。」と告げると、高房は大層驚き人を集めて下流まで探しましたが見つけることができません。悲嘆に暮れた高房は一心に久修恩院で祈願しました。

久修恩院{兼務住職のため、入場不可}

 すると翌朝、漁師が子供を連れて現れ、「大亀が背に乗せて岸へ運んだ後、静かに帰って行きました。」と語りました。高房は、かつて助けた亀が恩返しをしたのだと悟り、後に久修恩院に霊亀社を建てて、その霊を祀りました。助けられた子は後の山陰中納言であります。(久修恩院は兼務住職のため、自由に入場できません)

 ただし、『今昔物語集』では主人公は山陰本人で、助けられるのは山陰の子であります。枚方のお話では、主人公が父の高房に置き換わり、助けられるのが山陰本人となっています。

【霊亀社】のイメージ図

 これは民話に見られる「同源異流」の典型で、地域の寺院の由緒や信仰に合わせて再構成された結果と考えられます。

 この物語は、地域の信仰と結びつきながら形を変え、千年を超えて今も枚方の文化として受け継がれています。


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以上

過去の「枚方の昔ばなし」の記事は、ここから ご覧いただけます。
参考資料:
「ひらかた昔ばなし」・・枚方市伝承文化保存懇話会冊子 発行:枚方市
枚方風土記・・枚方市政40年記念 発行:枚方市
今昔物語集【4】p188:新日本古典文学大系36 1994年11月21日 発行
イラストはAI(copilot )とやり取りしながら作成しました。拡大して順送りできます。
写真は全て2026年5月に撮影した物です。

【HP作成:坂本 徳行】

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