枚方の大学 第4回『関西外国語大学』中宮キャンパス

実施日:2009年7月16日取材

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  梅雨とはいいながら雨のない日が続く7月16日、2002年4月に小松製作所枚方工場の跡地に新設移転した関西外国語大学中宮キャンパスを取材しました。先ず学生部課長補佐の橋本泰孝様にお話をうかがい、その後キャンパス内を案内していただきました。尚、橋本様はパナソニックから出向され、現在はOBとして引き続き勤務されておられます。

関西外国語大学の概要

 関西外国語大学は1945年に谷本昇・多加子ご夫妻が創立された谷本英学院を母体とし、1966年に枚方市北片鉾町に開設されました。その後1984年に穂谷キャンパス、2002年4月に北片鉾から中宮キャンパスに移転新設され、19万4,427平方メートルの広大な敷地に、外国語学部や短期大学部の校舎などが13棟あります。尚、本学の音響設備はすべてパナソニックが採用されています。

『国際社会に貢献する豊かな教養を備えた人材の育成、公正な世界観に基づき、時代と社会の要請に応えていく実学』を建学の理念に掲げておられます。戦後復興期に掲げられたこの理念は、日本が国際的に重要な役割を担う現在も色褪せることなく受け継がれています。現在、学生総数約1万3千人(中宮キャンパス:1万人、穂谷キャンパス:3千人)を誇る単科大学です。3割が地方出身、7割が自宅通学です。女性が7割も占める華やかなキャンパスです。

教育体系の概要

 中宮キャンパスには英米語学科とスペイン語学科を有する外国語学部と、英米語学科を有する短期大学部があり、穂谷キャンパスには国際言語コミュニケーション学科を有する国際言語学部があります。大学院は1973年に英語学専攻、1976年に言語文化専攻が誕生しました。1979年には全国の国公私立外国語大学に先駆けて誕生した博士課程後期(3年制)があります。

大学の主な特色

  1. 国際交流が充実しており、留学で取得した単位が母校での取得単位になることです。単位互換提携大学として海外50カ国および地域の322大学とネットワークが構築され、現在も広がりつつあります。海外留学が活発に行われ年間の留学生は約1600人。成績優秀な学生には、留学先の授業料や滞在費を免除する奨学金制度も充実しています。学生一人ひとりが将来設計を視野に入れた学習プランを描き、提携大学への留学を通して実現していくことが可能になります。留学を希望する本人はもとより、子女を海外留学させたい父兄にも人気のある大学です。
  2. また、一方海外からの留学生は春・秋コースとして年間700名を受け入れています。学休期間もキャンパスは外国人留学生で賑わい、学生達との交流も盛んに行われています。外国人留学生には特別扱いをせず日本の文化や習慣になじませる方針を取っています。
  3. 理屈だけではなく、社会に出て直ぐ役立つスキルを身につけることに重点を置いた実学の教育です。活発な海外留学の推進、民間企業の出向社員(現在10名)や退職者を教職員(現在パナソニックOBは5名)として受け入れる仕組みなど、建学の理念に基づいた実学の教えを実践されています。海外から招聘した800名を含め約1200人が教職に携わっています。
  4. 卒業後どこに出ても通用する国際人を育てる大学で、就職率は全国平均96.7%を大きく上回る98.4%、卒業生はこの大学で育まれた語学力と国際感覚を生かして貿易、航空、ホテル、旅行、教職関連など一流企業で活躍しています。

キャンパスを見学させていただいて
 正門を入ると先ず圧倒されるのが直径18メートルの噴水を備えた幾何学模様の広大なセントラルガーデンとその奥にそびえる11階建ての本館です。その左右に教育棟1号館と2号館、図書館学術情報センター、谷本記念講堂、国際交流センター、厚生北館・南館、体育館、クラブ館などが林立し、レンガ作りで統一された外観からは古代ローマの都市を彷彿させられます。通路は全て石畳でゴミ一つ見当たらず清潔に保たれています。

谷本記念講堂
 谷本記念講堂は2千人を収容できるマンモスホールです。以前NHKがこのホールで番組を製作しました。豪華な緞帳に刺繍された世界地図は、よく見ると様々な姿態の人体の集合で描かれています。太平洋には「THE WORLD IS OUR CAMPUS」と織り込まれ人間愛と人間尊重、世界平和を象徴しています。創立者ご夫妻と谷本貞人総長、谷本榮子理事長のレリーフ像や歴史的資料と海外提携大学の記念品が展示されているメモリアルホールが併設されています。

図書館・学術情報センター
 ここには複数のクラスの授業に使われる600人が収容できるマルチメディアホールがあります。通路はバリアフリーで、待合室にはソファーが用意され、気持ちを整えて授業に臨むことができます。1階の第1自由閲覧室には100台以上のパソコンがあります。学生は個々にIDとパスワードを持ち、世界中の情報を自由に閲覧することができます。図書館には38万冊(中宮キャンパスのみ)の蔵書があります。

国際交流センター
 ここには学生ラウンジ、コンピュータルーム、LL教室などがあり、海外からの留学生だけではなく海外留学を目指す学生も使用して互いに異文化を学びます。ラウンジでは多くの学生達が歓談されていました。

 

教室棟1号館・2号館
 教室棟1号館・2号館には137の教室があります。語学教育に有効な少人数クラスに対応する小さな教室を多く設置しています。1号館には近年、特に重要性が増す英語教員の育成の中核となる教職英語教育センターがあります。府や市の教育委員会と協定を結び、小中高校の英語教員を志す学生や卒業生を支援しています。教育棟には五大州を象徴する4つの中庭があります。

国際交流センター
 ここには学生ラウンジ、コンピュータルーム、LL教室などがあり、海外からの留学生だけではなく海外留学を目指す学生も使用して互いに異文化を学びます。ラウンジでは多くの学生達が歓談されていました。

教室棟1号館・2号館
 教室棟1号館・2号館には137の教室があります。語学教育に有効な少人数クラスに対応する小さな教室を多く設置しています。1号館には近年、特に重要性が増す英語教員の育成の中核となる教職英語教育センターがあります。府や市の教育委員会と協定を結び、小中高校の英語教員を志す学生や卒業生を支援しています。教育棟には五大州を象徴する4つの中庭があります。

日本庭園・万代池
 日本庭園に向かう途中、広大な学生広場の奥に外国人や日本人の招聘教員用住宅が望め、教員の方々への配慮がうかがえます。万代池を中心にした回遊式の庭園には東屋や茶室があり、ここが街の中とは思えないほど静かな空間です。下校する学生一人ひとりに『明日もまたがんばりましょう』と声をかけておられる谷本多加子先生の銅像があり、碑文を読むとお人柄がしのばれます。

体育館とクラブ館
 体育館1階にはトレーニングルーム、ボクシング場や卓球場、柔道・空手・拳法の道場があります。2階のアリーナは正課授業や部活動に使われます。3階は剣道場です。渡り廊下でつながるクラブ館の4階には音楽練習場と音楽関連クラブ、3階にはボクシング・拳法・柔道などの格闘技クラブと筝・華道・茶道・書道など日本古来の文化系クラブ、1階には体育系のクラブの部室があります。そこかしこから談笑が聞こえ、『こんにちは』『ご苦労様です』と声をかけてくれる学生から、この大学のしつけの良さを感じました。

厚生北館・南館
 北館には食事ができるおしゃれで安価なレストラン、マクドナルド、コンビニ、コーヒーショップ、旅行社、書店・文房具店があります。5大州の庭(アメリカ)を象徴した円形広場は太陽光発電のガラス屋根で覆われ、累積発電量や節約量が表示されています。12角形で全面ガラス張りの南館は1階が雰囲気のよい高級なレストラン、2階が静かな喫茶室になっています。

※「関西外国語大学」の詳細はこちらをご覧ください。

取材後の感想

  • 短時間の取材でしたが明るい雰囲気と清潔な環境、開学の理念を自分のものとしている学生の姿を随所に拝見することができました。
  • 最先端の施設や機器(音響設備はすべてパナソニック)、ネイティブによる授業で外国語を話す、聞く、読む、書くの徹底教育、充実した留学制度など実学の実践で、卒業後どこに出ても通用する国際人を育てる大学であることが、この就職率、全国平均96.7%を大きく上回る98.4%にも現れていると感じました。
  • レストラン、コーヒーショップ、マクドナルド、コンビニ、旅行社、書店(丸善)などの厚生施設が充実されていることに驚きました。また、南館のレストランで、開放的な窓から四季折々の庭園を眺めながらゆったりとした時間を過ごせる雰囲気は最高と思いました。

<取材:井須、金箱、岸本、日垣、藤田、山添 レポート:藤田 WP編集:梅原>

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