枚方の神社 第6回 『二ノ宮神社』

第6回 『二ノ宮神社』

2013/9/10 取材

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 枚方発見神社シリーズの第6回目として、歴史のある「二ノ宮神社」を参拝し、取材しました。この神社は京阪電車本線樟葉駅から南東に徒歩10分の所にあります。広大な3,000坪を越す社叢(しゃそう)は枚方市の保存樹林に指定され、緑地として保護されていて、 桧、杉、松の巨木の樹林がよく手入れされています。「二ノ宮神社」の別称は「河内の牛頭(ごず)さん」と言われています。 正面の鳥居を潜り、鬱蒼とした木立をくぐって社務所に案内され、安井宮司様からたくさんの資料を準備していただき、わかりやすい懇切丁寧な説明を受けました。

二ノ宮神社「正面の鳥居」

【二ノ宮神社の概要】

所在地 枚方市船橋本町1-707 京阪電車(本線)樟葉駅 徒歩10分
境内の敷地 約 3,000坪
祭神 ・健速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)
・奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)
・大己貴命(おおなむみのみこと)
創建 ・社伝によれば仁徳天皇(4世紀)の創始で、用明天皇(585年)、桓武天皇(797年)から織田信長(1573年)、豊臣秀頼(1584年)にいたるまで多くの人が二ノ宮神社の再建に関わっています
主な年中行事 ・例祭  10月15日
・稲荷祭  2月    ・春祭    4月
・夏祭   7月    ・鎮魂か祭  3月、9月
・新嘗祭 11月23日

【二ノ宮神社の由緒】
 二ノ宮神社は、枚方市の北部、船橋本町(旧大字船橋)北方村里に接し、杉、桧、楠、榊、等の樹林の中の社域に鎮座しています。御祭神は健速須佐之男命、奇稲田姫命、大己貴命の三柱(みはしら)の神様です。社記に依れば二ノ宮神社は西暦342年に仁徳天皇が建てられ、聖徳太子の父の用明天皇も非常に信仰されたという事です。また京都を都とした桓武天皇も西暦797年に右大臣藤原継縄(つぐただ)を使者にして、神様にお供えをし、西暦856年には文徳天皇も右大臣藤原良相を使者にして、お供えをしたとあります。
 戦国時代には交野郡の二宮牛頭天王社(ごずてんのうしゃ)と称され、織田信長は深く信仰し、土地を寄進して社殿に修繕を加えています。その後も大阪城鬼門除(きもんよけ)のお社として修理や寄進が豊臣家や徳川家などからありました。明治時代になり、それまでの牛頭(ごず)天王社 から二ノ宮神社へ名前が変わり、樟葉、船橋、養父、宇山、東山、高野道、家具団地、北山などを守る氏神様として信仰されています。
 二ノ宮神社の境内社には【猿田彦神社】【愛宕神社】【稲荷神社】【天照皇大神(あまてらす・すめら・おかみ)】、二ノ宮神社の境外社として【御旅所】があります。 また18世紀後半に祀官(しかん)をつとめた井上桐亭・金橋は詩歌にすぐれ、坂村の岡田本房・三浦蘭阪らと文人サロンを形成しました。彼らが当社に奉納した和歌も多数残されています。 なお、当社の付近には船橋遺跡(弥生時代中世)がひろがっています。中には古代の瓦が多数出土する地点があり、幻の寺跡が地中に存在する可能性を秘めています。

【二ノ宮神社の話題】
1.鎮魂か祭(ちんこんかさい)2011年3月11日の東日本大震災にあった石巻市の被災瓦礫から種火をとり、その灯火を枚方まで運びたいまつに灯します。その灯火でキャンドルナイト。被災の記憶が消えないよう、被災地の方々の思いを共有できるよう、大切に守られている灯火だそうです。このお祭りは、2011年9月11日に東日本大震災の鎮魂の想いで、枚方の地元の方々が協力して始まりました。 鎮魂か祭の冒頭は祝詞が読まれ、「森のステージ」の舞台をお祓いして始まります。舞台では書道パフォーマンス、和太鼓の演奏、子供のフラダンスなどの催しがあり、楽しい出店もあり、子供たちも多く来ています。
2.「おかげ様参り」数年前から二ノ宮神社には「おかげ様」という神様がいて、願い事の成就に物凄い御利益があるいう事が話題になり、遠方からも多くの人が「おかげ様参り」に来ています。この問い合わせも多く、一時期大変忙しく応対されたそうですが、現在は少し落ち着いたようです。「おかげ様」は自分のご先祖さまのことで、二ノ宮神社ではこの先祖に対する崇拝が「おかげ様」に対する崇拝として続いてきてるそうです。願事を書き、お守り袋に入れ、お守りを左手に持ち、2礼2拍、ご先祖様に感謝しつつお願いことを思い一礼してお参りをします。この願事が叶ったらお守り袋から紙は取出し、自分で燃やし、お守り袋は神社に返納してこの一連の儀式は終了します。「おかげ様」守りは500円です。

【取材後の感想】

  1. 歴史が古い二ノ宮神社は祭りも多く、地域からも好かれています。 市内の身近な神社で広大な3000坪を越す社叢は枚方市の保存樹林に指定され、緑地として保護されていて、 桧、杉、松の巨木の樹林がよく手入れされ、樹齢600年といわれている黐の木もあります。鳥居を潜ると鬱蒼とした静かな森の中で、そこは厳かで心が引締まります。
  2. 二ノ宮神社は「鎮魂か祭」や「おかげさま参り」で話題になっています。「おかげ様」に真摯に祈るとき、それは自分の血の源に祈ることになり、自分自身との対話に他ならないということですと参拝、祈祷する方に説明されています。柔和な安井宮司様とお話しするだけで前向きな気持ちになり、願い事を叶えるべく努力するための素地が出来るのだ思いました。また頻繁に小学校で子供達へ「神社」をテーマにしてわかりやすく講話もされておられるのも素晴らしいことと思いました。

取材:金箱、山添、坂本、福本、中村  レポータ:中村

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