昨日は、菊を愛(め)でる重陽の節句(菊の節句)【自由投稿】

櫻田仁【3班】2022.9.10

 

菊が花開く秋に“ 長寿と厄払いを祈る行事 ”

菊の被綿

■ 菊の被綿(きせわた)という風習を、今に伝える平安時代初期創建の「市比賣(いちひめ)神社」では、節句前日に被綿飾りがおこなわれます。
綿の中にシベというのが入っているのは、御所式といわれ京都御所で伝わっているやり方です。どの菊にどの綿があるかというのが定められています。例えば、赤い菊には白い綿に黄色のシベを乗せることが決まっています。

 

法輪寺の能舞

■ 嵐山にある「法輪寺」、中国では奇数が重なる日は縁起が悪い日と言われていました。9月9日は大きな数字が重なるので特に不吉とされ、そのため厄払いの行事がおこわれます。参拝者は仏前に菊供え、邪気払いと延命長寿を祈願します。重陽の節句に特別に飾られる人形があり、菊の力で700歳まで生きたと伝わる「菊慈童(きくじどう)」、菊滋童の伝説にまつわる能も奉納されます。人々の長寿を祈願する特別の演目です。

 

上賀茂神社の烏相撲

■ 京都市北部の「上賀茂神社」、重陽の神事が行われ菊を供えます。祭神にかかわりのある「やた烏」にちなむ神事「烏相撲」です。先ずは白い装束を着た氏子が「カーカーカー」「コーコー」と烏の鳴き声で受け答えをするユーモラスな儀式がおこなわれ、真剣勝負の相撲を神様に奉納します。相撲を取るのは子供、けがれのない子供には邪気を払う力があると考えられたためです。厄除けと長寿を願う祈りは千年の時を超え今も続いています。

“ 秋の京都と菊の食文化 ”

和菓子「菊の被綿」

■ 京菓子:重陽の節句には、菊をモチーフにした菓子が多くつくられます。菓子の名前・色・形、いずれも菊からイメージされたものです。菊は、「百代草(ももよぐさ)」という別名があるように、百種類以上の呼び名があります。それぐらい日本に根づいた菊をどのように表現するかが菓子屋として裁量を発揮できることになります。人々は菊をイメージした菓子を楽しみます。 

 

京料理(菊と栗)

■ 京料理:長寿をもたらすよう「菊水」となづけられた井戸、菊の花が咲くがごとく豊かに水が湧くことからその名がついたと言われる水で、出汁をつくります。日本人がいちばん慣れ親しんだ菊をモチーフに、季節の変わり目に菊のちからで一日の活力をやしない、体の栄養と心の栄養を同時にとることができる日本料理は、先人から受け継いだ知恵ではないでしょうか。また、宮中での菊花の宴では菊酒もふるまわれました。

“ 重陽の節句 知られざる風習 ”

■ ひな人形といえば、三月上巳の節句(ひな祭り)に飾るものですが、実は“ 後雛 ”といって重陽の節句にも飾ります。なぜ飾るのか、三月から半年後の節句に虫干しのために、ふたたび飾ります。三月は女児の健康と成長を祈願しますが、九月は大人の厄除けと長寿を願ったといわれています。たとえば、家の玄関などに人形の数やお供えは好きなように飾るといわれています。

このように、日本の歳時記は、古くから伝えられている「衣・食・住」の文化です。日常生活の中に少し でも取り入れていただくことが、人生100年時代をより楽しむことができるのではないかと思います。

資料引用:NHK「京ことはじめ」より

 

 

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