第44回 夢中人紹介  矢野 正義 さん

 やの  まさよし 

 

“感動した「ひとときの情景」を絵画に託して”

枚方市伊加賀栄町在住
2021年8月1日投稿

1. プロフィール

  • 1947(昭和22)年、長崎県の田舎町に生まれる。
  • 1971(昭和46)年、松下電器株式会社(現Panasonic)ラジオ事業部に入社。
  • 在職中は、一貫して事業部の知的財産権(特許)業務「出願~権利化、特許係争対策等」に携わり、
    ラジオ事業部、ゼネラル・オーディオ事業部、オーディオ事業部、AVC知財センター所属。
  • 在職中の1991(平成3)年、枚方市御殿山美術センターで行われた「日本画講座」を受講し、日本画を始める。
  • 2007(平成19)年5月、定年退職
  • 2007(平成19)年4月、京都造形芸術大学(通信教育)「日本画コース」に入学し、2016(平成28)年3月卒業。
  • 2008(平成20)年2月に松愛会水墨画部に入部し、年2回の「水墨画部展」に出展(~2020(令和2) 年1月)。
    水墨画部では広報担当として、「作品の写真撮影・記録」や「水墨画部HP維持管理」等を担当。

 

2. 絵画と私について

自画像

矢野正義さん
有秋会日本画展にて

 振り返ってみると、絵画は子供の頃から好きで、中学生時代には一時期「絵画クラブ」にも所属していたが、就職してからは絵を描くという趣味は念頭になく、趣味としては休日に釣りに誘われて行くことが多かった。その様な中、1991年当時の会社での残業時間規制が転機となって、私と絵画との関りが大きく変化した。
 そのタイミングに前述の講座が夜の時間帯に開催され、「日本画の本質を知らないまま受講」し、その後十数年何とか継続。そして定年退職を前に、日本画の基礎を学ぶため前述の京都造形芸術大学に入学して「日本画」を継続し、また定年後に先輩に誘われるまま松愛会水墨画部に入部し「水墨画」を始めた。更に、絵画の活用として「扇子」や「舞踊傘」への絵付をも行うようになった。

3.<水墨画>定年後始めた水墨画

 定年の翌年2008年1月、松心会館で開催された松愛会水墨画部の新春作品展に行った際に、会場当番の部員の中に在職中の職場の先輩がおられて誘われ、2月から体験参加し、入部することになった。以降、1月と6月の水墨画部の展覧会に出展していたが、昨年の6月から新型コロナの関係で展覧会は途絶えている。下記に作品の一部を紹介。
・『松愛会 水墨画部』について詳しくは、ここをクリックしてご覧ください。

4.<日本画>御殿山美術センタ~京都造形大学(通信)~その後

 枚方市御殿山美術センターで開催された前述の「日本画講座」の講座受講者有志で発足した日本画グループに所属し、在職中ではあったが、「最低1年1作の日本画制作を」の思いを継続して、同センターで毎年開催されていた作品合同展に「日本画」を出展。 (~2018年10月)。
 また定年を控えた2007年、京都造形芸術大学(通信教育)「日本画コース」に入学し、定年後も仕事を継続した影響等で大学卒業をあきらめかけた時期もあったが、9年かけて卒業することができ、2016年~卒業同期生によるグループ絵画展に「日本画」を出展。(昨年~今年は中止)。

5.<学んだ絵画の活用>扇子と舞踊傘への絵付

 御殿山美術センターでお世話になっていた関係で、「作品合同展」への参加の他、同センターの「活動委員会」へも参加し、活動の一環として2009年~扇子用地紙に絵付行う「扇子講座)のお世話をしており(扇子加工は専門業者に委託)、自分でも(この講座時以外も含め)作成し、作成した扇子を家族の他知人にも贈呈。…..下記に作成扇子の例を紹介。

 また、家内が日本舞踊をやっていた関係で舞台での舞踊時に舞踊傘を使用することがあったが、「曲目に合ったデザインの舞踊傘」が欲しいとの要望に対応し、白無地の絹地傘への絵付に挑戦。幸いにも京都造形「日本画コース」で絹地に描く演習があり、この経験により作成できた。…..下記に作成舞踊傘の例を紹介。

6.<個展開催と公募展への出展>グループ展からの脱皮

 以前は「松愛会」「御殿山美術C」のグループ展のみへの出展であったが、造形大卒業年の2016年5月、個展【日本画展「ひとときの情景」】を枚方サンプラザ3号館5階の「市民ギャラリー」で開催した。

 また、同年8月、大阪市立美術館で毎年開催されている日本画の公募展【有秋会日本画展】に、卒業制作の「潮鳴り」を出展して入賞。同公募展にその後も出展(昨年は中止)。

7.<感動した「一時の情景」を絵画に託して>

 絵画を描く場合は「現場・現物を見て写生をしてから描く。」が基本であるが、現物が無い場合や現地に行っても時間がない場合等、写真を参考にして描くことが多い。ここで、挙げた絵を改めて見て、一部を除き自ら撮った写真を基に描いていることに気づき、自分でも驚いている。
 その中で、「騒めく白鷺」は鴨川の土手で長時間粘って白鷺が翼を広げた瞬間の写真、「気配」は我が家の猫が毛並手入中に家族が部屋に入った気配を感じて振り向いた瞬間の写真を元にしたものであるが、写真を後で見て、この「ひとときの情景」に改めて感動し、絵にしたものである。今後も、絵画を描く場合、直接写生をして描くことを基本としつつも、自ら撮った多数の写真の中に「感動するひとときの情景」を発見して、その「感動した情景」の現場に思いを馳せると共に、オリジナル絵画を意識しながら再構成して「絵画」にするようにしたい。 

<投稿:矢野、HP作成:梅原、吉川>

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