2015 社会見学会『国立文楽劇場 文楽鑑賞』

2015年6月11日(木)

 日本の伝統芸能に触れ・親しむ!シリーズ 企画として、3年前は京都祇園甲部歌舞練場で『都をどり』、そして昨年は天満天神繁昌亭で『落語』を観賞してきましたが、今年は大阪国立文楽劇場での『文楽観賞教室』です。
 当日の天気予報は雨でしたが 日頃の行いのせいでしょうか、ポツリ・ポツリ雨程度で傘のお世話には殆どならず、枚方から集合場所となる国立文楽劇場へ。今回の『文楽鑑賞教室』には、80名の会員が開演時間の10時30分までに到着しました。

人形浄瑠璃『文楽』について

 人形浄瑠璃『文楽』は、今から300年以上前に大阪の地で生まれ、庶民の手で育まれてきた日本を代表する芸能で、2008年にはユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載された、“大夫” “三味線” “人形” が一体となった総合芸術です。
 世界に誇るべき日本の宝であるこの『文楽』を、若い世代にも親しんでもらうために、国立文楽劇場は1984年の開場以来、毎年6月に文楽鑑賞教室を開催しており、今回で第32回目を迎えたそうです。当日は殆ど小学生から高校生までの子供たちでした。

 学校の芸術鑑賞行事として、初めて観るお客様には伝統芸術に親しむ入門編として、また生涯学習活動のひとつにもなっており、枚方南支部の会員にとっては初めて体験です。一般人の来場者は私たちを除きごく僅かでした。
 定員731席は埋まり補助椅子まで駆り出されていました。ただ、小学生が長時間(トータル2時間45分)『文楽鑑賞』を我慢出来るのか(失礼!)と我々会員はふと思ったのですが、終ってみれば全くの杞憂でした。

緞帳が上がり開演

 午前の部は10時30分丁度に開演。本日の演目は 文楽の名場面を厳選して、まず
●“牛若丸・弁慶の『五条橋』(1段=1幕)” を約40分鑑賞した後 、

●文楽の理解を深め また作品をより楽しめるように、 “解説 文楽へようこそ” では、
 出演する若手技芸員が舞台に登場し、文楽の魅力についてその仕組みやルール、 また大夫や三味線の演じ方 更に人形の扱い方や、表情・しぐさの表現方法等の分かり易い説明があり、最後に今日参加している学生の代表3名が舞台に上がり、人形を実際に操れるように指導するサービスまでありました。
 最終演目(曽根崎心中)を簡単に解説後、休憩10分に入りました。

●いよいよ『文楽』最大のヒット作品、近松門左衛門が劇にした “世話物”  “曽根崎心中(三段=三場面)”  です。
 大夫・三味線・人形も更に本格的になり、一段(生玉社前の段)二段(天満屋の段)では、大夫・三味線がそれぞれ1人で登場人物(人形)の声色を使い分け、場の雰囲気や情景を表現、正に『浄瑠璃』に人形劇が加わった現在のアニメのようです。

 事前に2小冊子(文楽入門-鑑賞のしおり、第32回文楽鑑賞教室)と上演プログラムが配布されていましたので、皆さん予習は十分されたのではないでしょうか。小冊子2冊によるイラストとマンガ等の解説で、何となく『文楽』に関する知識だけは増えましたが、「昔の言葉を聞いただけでは物語の理解は難しい」と当初は思っていました。が、なんとスクリーンに字幕が出るではありませんか。
 これで理解も深まり 加えて当日若手技芸員による詳しい実演解説を聞いたことにより理解度は更に深まり、三段(天神森の段)の頃には、大夫・三味線・人形が一体となって織りなす迫真の演技力に、完全にのめり込まされてしまったようです。
 終わった途端、見入ったことによる軽い疲労感を覚えたほどでした。

 トータル2時間45分。殆どの会員が満足感に溢れた顔をしておられました。鑑賞後1階の資料館に立ち寄られた方は、文楽の歴史や弁慶の人形が出来あがるまでの工程等の、分かり易い展示を見て 更に理解を深められたようです。鑑賞が終って現実の世界へ。外は雨も上った午後1時30分。お腹も空いたことでしょう。昼食時の話題は勿論『文楽』でしょうね。

レポート:勝川康正 写真:中溝明男・永井和人 HP作成:冨松義男   

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