2023年度 茶道同好会の例会記録です

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<第85回例会> 各自がやりたいお点前をしました    2023.12.13(7人参加)

次回開催予定:2023.01.10(水)

 今年最後の稽古で 85回目の茶会になります。長い間稽古を続けていると、会員間に習得の程度に差が出たり、得意分野が異なってきます。ここ数回は各自で所作を要望して稽古しています。
盆略点前 (NIさん、YTさん)
 釜や柄杓がなくても、薄茶点前の基本所作を盆の上で行う入門者向けのお点前です。高齢の方や子供たちが 椅子にかけ、テーブルなどで気軽にお点前を楽しめます。今日はポットを使いました。 子や孫にお茶を点てたいという目標を持って、お爺ちゃん二人が正座で頑張りました。
茶入荘(ちゃいれかざり)(IMさん)
 由緒ある大切な茶入を使うお点前です。 水指の上に茶杓、茶巾、茶筅をのせ、茶入は主茶碗に入れ、水指の前に荘っておきます。 お点前の流れは平点前の基本に添いますが、茶入は大切に古帛紗にのせて扱うことが、このお点前の特徴となります。拝見の際は茶入の由緒を尋ねます。
濃茶平点前 (KKさん)
 お茶の世界では「茶」といえば濃茶を指すようで、濃茶平点前はその基本となるお点前です。肩衛(かたつき)の茶入にもなじみ、問答も慣れてきました。

 今回は濃茶の菓子器は縁高(ふちだか)を使用しました。黒文字の扱い、菓子のいただき方や菓子器を返すときのお詰(おつめ)の役割など復習しました。
 最後に大友さんがお点前をしてくれました。「続き薄」は本来は棚を用い、茶事などで後炭を省いて濃茶に引き続き薄茶をいただくお点前です。
 大友さんの流れるようなお点前に座がひきしまり、一同息をのんで見入りました。ふっくらと泡立った美しい薄茶を全員が頂戴しました。その美味しさに感動して楽しさも増した今年最後の例会でした。

<第84回例会> 高度なお点前に挑戦しました    2023.11.15(7人参加)

次回開催予定:2023.12.13(水)

 11月は炉開きの月です。お点前は濃茶と薄茶の平点前が基本ですが、道具の種類や難易度によってお点前の数は無限?です。高度なお点前「四ケ伝」の一つ「唐物」の披露もありました。

濃茶で重ね茶碗(IMさん)
連客が多いとき、茶碗を二種重ねて用いるお点前です。持ち出した茶碗は重ねたまま勝手付に置き、仕組んである上の茶碗だけを茶入と置き合わせます。茶を練って出した後、亭主は「(個人様名で)お召し上りください」 と挨拶します。

濃茶で替茶碗(MUさん)
替茶碗(かえちゃわん)は客が 3人以上のとき、余分に持ち出す副の茶碗です。替茶碗を右手にのせ、帯の位置に持ち、建水と一緒に持ち出します。正客が茶に一口つけたとき、「お替茶碗で失礼します」とことわり、お茶を点てる前に 茶碗に入れた湯を1~2回まわして清め温めます。

唐物(KMさん)
唐物(からもの)は主に中国から伝来した茶入を用いる四ケ伝のひとつです。曲水指(まげみずさし)を使う、茶杓は節止め、蓋置は竹などたくさんの約束事があり、お菓子も黒文字や杉箸が添えられ、縁高に三種のお菓子が出されます。帛紗も「草」だけでなく「真」や「行」でさばき、所作も丁寧に行われます。
拝見は茶入のみを先に出し別格として扱い、これを「割り乞い」といいます。問答では「ご伝来」を尋ねます。今回使ったお茶入は漢作で、形は文琳(ぶんりん)です。定家の歌(浦の苫屋の秋の夕暮れ)にちなみ苫屋文琳と称され、紀伊家に伝わっていたとのこと、貴重なお道具で稽古させていただきました。

今日のお菓子です。
主菓子:梢の錦(鶴屋八幡)
干菓子:松葉・もろこし

<第83回例会> 夏の終わりを感じる中置点前    2023.10.18(7人参加)

次回開催予定:2023.11.15(水)

 例年10月は窯の置き位置を工夫したこの月だけの中置(なかおき)点前です。半年間親しんだ風炉の茶を惜しみ、わずかに釜を客に近づけて温かみを感じてもらう趣向です。
今月は大板の中置点前です。大板は風炉の下に敷く敷板で炉縁と同寸の四角形です。お点前は通常の流れですが、柄杓と蓋置の位置が異なります。蓋置は大板の左角に置き、柄杓は合を置いたら真横一文字に引きます。また荘るときは蓋置を右に少しずらし、柄杓は大板の左、 勝手付側に縦に置きます。

 先月から稽古を始めた内海は仕覆の長緒の扱いが難しく、特にその結び方と解き方の練習に、皆さんガヤガヤと長い時間をかけていました。
お茶会員には元気溢れる山ガールもいます。東北の温泉と山歩きのお土産に、めずらしいお菓子もいただきお菓子談義に花も咲いて今年の風炉を惜しみました。 次回から炉点前となります。予習に役立つよう、希望するお点前に応じてくれるとのことです。どうぞお申し出ください。

<第82回例会> 形状の異なる茶器で四通りの濃茶点前   2023.9.13(6人参加)

次回開催予定:2023.10.18(水)

 8月は会員いろいろの事情が重なり休会に、2ケ月振りの茶会になりました。今回は 内海(ないかい)、肩衛(かたつき)、桑の中次(なかつぎ)など濃茶器に加えて、薄茶器の小棗も大津袋に入れて濃茶に使用できることを改めて学びました。茶器それぞれは形状が異なりますが、お点前の基本は同じです。

1.内海(ないかい)
内海は球形を上から少し押したような形の平茶入です。 仕覆は長緒(ながお)を使います。慣れない長い緒の結び方、解き方など、扱いには稽古が要るようです。
2.小棗(こなつめ)
本来は薄茶器である棗も大津袋に入れることで濃茶に使用できます。小棗は大津袋にすんなりと姿よく入りました。大津袋の脱がせ方、その後の指を使った扱い、すっかり忘れていました。
3.肩衛(かたつき)
肩の部分が張り出している茶入です。濃茶の稽古ではまず肩衛を使うことが多く、「お茶入のお形は・・・・肩衛でございます」と覚え、仕覆の扱いなど濃茶の基本を学びます。

4.桑の中次(なかつぎ)
桑の木で作られた茶器で、円筒形の半分のところで中次されており、内側には金箔がほどこされています。四ヶ伝の和巾点前ということで、由緒のある裂地で作られた和巾(小帛紗)や仕覆が用いられます。
和巾という主役を桑の質感が引き立てた味わい深いお点前ですが、和巾の上に置いた茶器を和巾と同時に扱うのは難しくまだ稽古が必要のようです。

<第81回例会> 夏のお点前-洗い茶巾と葉蓋   2023.7.12(9人参加)

次回開催予定:2023.8.9(水)

 今日は、まず 洗い茶巾のお点前の稽古をしました。棚は丸卓を使い、棗は中央に荘りました。次に 先月のおさらい 葉蓋のお点前の復習をしました。
洗い茶巾は水を張った平茶碗に茶巾を二つ折りに浸し、お点前の途中で絞ってたたみます。水の音も美しく、ガラスの平茶碗で点てられたお茶の緑も涼やかに感じられます。

さて、本日は会の発足以来7年に亘り一緒に稽古を続けてきた仲間の1人が、最後の稽古日となりました。名残りを惜しみ、心に残るひとときをご一緒にという思いで、先生と有志の方が手作りの「点心」をご用意され ミニ茶事となりました。「点心」の頂き方も学びながら皆でおいしくいただきました。

 その後、利休ゆかりの妙喜庵の古竹の茶杓や螺鈿の薄茶器など、とっておきのお道具で「続き薄茶」が行われ、本日が最後の会員さんを皆でお送りしました。

<第80回例会> 葉蓋点前と長板のおさらい   2023.6.14(水)8人参加

次回開催予定:2023.7.12(水)

 ずいぶん暖かくなりました。この5月から炉は風炉に変わっています。今日は、木の葉を水指の蓋に見立てて涼を楽しむ薄茶のお点前から始めました。七夕の趣向で玄々斎が末廣籠の受け筒に、梶の葉を蓋として使ったのが始まりのようです。葉は毒がなく切り口に汁の出ない 梶・芋・蓮の葉などを使います。
今日は梶の葉が2枚準備されていました。お点前は平点前の流れですが、水指の蓋を開けるところで 葉を手前の茎に近いところから取ります。葉脈にそってまず半分に折り、横にして葉の大きさを見ながらさらに折りたたみ茎を差して止めます。左手でポッと建水に落とします。
21年7月 第60回例会のリモート茶会で、宮澤さんによる葉蓋と洗い茶巾のお点前や、七夕に因んだ自筆の掛軸を拝見したことを思い出しました。

 稽古の終わりに、一碗分の茶を「計り」に載せてその量を実感しました。濃茶は 3~3.75g(約3.5g)、薄茶は 1.2~1.7g(約1.5g)ということです。実際の量加減は茶さじで調整します。

<第79回例会> 風炉の長板点前   2023.5.17(水)10人参加

次回開催予定:2023.6.14(水)

 ずいぶん暖かくなりました。この5月から炉は風炉に変わります。支部役員の松島さんが、カメラを担いで撮影と応援に来てくれました。もちろん、主菓子と干菓子を準備し、濃茶と薄茶も経験していただきました。
今回は風炉の長板総荘です。長板は大小2種類あり、炉では小さい長板でしたが、風炉では大きい長板を使用します。今日は大きい長板を使います。左方に風炉をおき、中央奥に火箸と柄杓を入れた杓立、手前には蓋置をしくんだ建水をおき、右方に水指をおきます。
また、長板点前では濃茶と薄茶で、茶入れと棗の扱いが異なります。濃茶では茶入も水指の前に荘っておきますが、薄茶では茶碗と一緒に棗を持って茶室に入ります。右欄下の濃茶の長板の仕組み写真で確認できます。
さらに、柄杓について現物を見比べながら違いを教わりました。切り止め(柄の端)が、炉用は竹の皮側が斜めに削られています。風炉用は竹の身側が削られていて、合は炉用より小ぶりです。なお、長板総荘では柄杓の柄が合に差し通されているものを使います。こんな柄杓は「差し通し」といいます。
さて、今回から風炉ということで、柄杓の扱いに注意が必要です。「置き柄杓」「切り柄杓」 「引き柄杓」を思い出しながら稽古しました。

下図上段は会員3人による稽古の動画の一部です。

<第78回例会> 長板総荘(続き)   2023.4.12(水) 9人参加

次回開催予定:2023.5.17(水)

 4月も中程で葉桜も多くなり、炉点前も今月で終ります。先月に続き長板総荘の濃茶と薄茶点前の稽古をしました。先月の続きですから、今回は特に大事な所作を繰り返し稽古しました。

●火箸の扱い
火箸は まず両手を付き、右手で杓立の真後ろからまっすぐ立てて抜き、建水の位置に沿ってカーブしながら体正面に持ってきます。左-右-左と持ちかえて、左手で長板の横に3cmほど出して置きます。ここで指先は長板より奥に入らないようにします。

● 柄杓の扱い
柄杓も杓立から抜くときは、まず両手をつき左手をついたまま行います。釜に湯や水を入れるときは、合一つの高さのままで湯を戻します。油柄杓にならないようにとのことです。油柄杓とは油売りが油を汲み出すとき、したたりを切るために柄杓の合を上下に振ることをいい 茶の湯では戒めとされているそうです。

●濃茶の練り方
濃茶の基本「濃茶の練り方」を、改めて復習しました。抹茶に適量の湯を入れ、茶碗の底から抹茶と湯がなじむよう「練る」という意識を持って点てます。茶の緑が深くつややかになり光ったように見えてくる、この色の変化に注意して全体を整えます。

<第77回例会> 長板総荘(ながいたそうかざり)  2023.3.8(水) 9人参加

次回開催予定:2023.4.12(水)

 大阪府のコロナ情報は青信号になり、久しぶりのリアル茶会になりました。リアル茶会は皆さんの眼の色が違います。会話の愉しさも、手順チョンボの応援も心地よく響きます。
さて、本日の茶室は「釣釜」でした。3月にもなると気候も暖かくなってくる時期です。この時期 炉を深くして少しの火で湯が沸くように小釜の釣釜にするようです。通常の釜は炉の中に設置した五徳の上に乗せられていますが、炉の季節も終わりに近づいているのを実感します。

本日のお点前は「長板総荘」の薄茶と濃茶の稽古です。
● 長板の荘りつけ:長板の中心より右方に水指、左方に柄杓と火箸を仕組んだ 杓立(しゃくたて)を置き、その前に蓋置きを入れた建水を荘ります。
● 柄杓について:柄杓は合の中まで柄が差し通してあるものを使います。杓立に荘るお点前ではこの差し通しの柄杓を用いるそうです。柄杓はその都度杓立に直し、杓立から抜いて用います。

● 火箸について:火箸は炭点前の際に使用されます。 薄茶、濃茶とも、お点前では長板にある建水を 左膝脇に置いた後、杓立から抜いた火箸を 長板左端の畳に置いて進行します。

今日の稽古は差し通しの柄杓と火箸の扱いが特殊で、難しいところ です。お点前の流れは基本に添いますが、薄茶と濃茶でも違いがあり、細かい約束事はまだまだありそうです。 引き続き次回も「長板総荘」を稽古することになりました。

<第76回例会> オンラインで「大炉の逆勝手&筒茶碗」  2023.2.8(水) 8人参加

次回開催予定:2023.3.8(水)

 コロナの勢いは少し落ち着きましたが、大阪府はまだ黄信号のままです。今年2月度の茶会もオンラインによる変則的な形をとりました。大友さん宅の茶室に5人集まり、他の3人は自宅から参加ということです。

2月は年間を通して最も寒い時期ですから、客に少しでも暖かさを感じてもらう工夫を凝らしたお点前が二つあります。一つは大炉(だいろ:一辺1尺6寸)と呼ぶ大きめの炉で六畳間に切られ、「逆勝手」のお点前となります。もう一つも季節感のあるお点前で、筒状の深い茶碗を温めて出す「茶碗」のお手前です。

◎大炉(逆勝手)の濃茶点前(動画:30分)
通常の本勝手では炉(一辺1尺4寸)は亭主の右横ですが、大炉は亭主の左となるため、ほぼすべての手順が本勝手と逆勝手では左右が逆になります。以下は本勝手と違う部分の例を、ごく一部ですが列挙してみます。
・帛紗は右につける
・席に入る時は左足から、出る時は右足から
・建水は右手で持つ
・柄杓は左手で蓋置に引く
・茶碗の湯を捨てるときは左右交互の手で行う
・茶巾は左手で取り茶碗に右膝頭で入れる
・点てた茶は左手で出す

◎筒茶碗の薄茶平点前(動画:23分)
筒状の深い茶碗をお点前の直前まで湯であたため、茶巾も湯で絞り、耳二つ出した状態で茶碗左にたてかけて仕組みます。茶巾は茶筅通しの際にたたみ直します。 基本は薄茶の平点前ですが、茶碗が長く中が見えにくいので、茶碗 によっては横から持ったり、斜めに傾けたりなど、 扱いに工夫をします。

◎茶室参加 Uさんの感想
逆勝手は難しい所作もそこに意味や理由 があることも知りました。まずは本勝手をしっかり身につけようと思います。筒茶碗でいただいた茶は身も心も暖まりました。お茶とは亭主の心使いを学ぶことという思いを深くしました。(茶会談義 動画:4分)

  

  

<第75回例会> オンラインで「茶通箱」の披露  2023.1.11(水) 8人参加

次回開催予定:2023.2.8(水)

 コロナの影響で、今年初回の茶会はオンライン例会となってしまいました。ただ、大友さん宅の茶室に3人集まり、他は1人で自宅でという変則的な形をとったのはよかったようです。
今日のお点前は「茶通箱」です。「茶通箱」は珍しいお茶を入手したときや、客が茶を持参したとき、亭主が用意しておいたお茶と2種類の濃茶を点てるお点前です。
通常は亭主が2種のお茶を点てますが、今回は亭主役を前半と後半と交代しましした。2種の濃茶は 1つは茶入に、もう1つは大津袋に包んだ棗に入れて、茶通箱に仕組み持ち出します。
まず、1つのお茶を通常の濃茶点前で出し、「いま1種のお茶を差しあげます」と言って、続いて棗のお茶を出します。客は2種類の濃茶をいただくことになります。
2服目を点てるときは、茶巾をしぼってたたみ直し、「チリ打ち」(ポンと音を出す)帛紗の所作をします。また、茶碗をゆすぐ「小ゆすぎ」(茶碗の湯を回して捨てる)も行います。 道具も所作も拝見も多く・・・ハイレベルのお手前でした。

 亭主役・正客役を務めた2人の感想です。外隅ねらいで座る感覚がつかめず、たくさんの道具の位置にとまどいました。拝見を請うタイミングも複雑で、加えて大津袋や箱の扱いが難しく稽古の大切さを痛感しました。2種のお茶の味わいの違いも感じることができて、茶室組の3人は楽しく過させていただきました。

  

  

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