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第64回「京都・学ぶ会」大岩優子様(帝塚山学院大学非常勤講師)講演報告

 今回は、アナウンサー出身の大岩優子様に、「聴くことの大切さ」と題して、ご講演をお願いしました。テレビやラジオには数多く出演されており、タレント・アナウンサースクール講師、花博コンパニオン研修講師、ナレーターモデル養成コース主任講師等々の講師歴があり、現在は帝塚山学院大学にて「音声表現法」「ビデオインタビューテクニック」「アナウンス技術」を担当、社会人やセカンドキャリアを目指す人のためのスクール「話し方いろは塾」を主宰され、主に講師としてご活躍中です。また、「話し方・敬語」に精通されておられ「傾聴ボランティア」の資格もお持ちです。受講者数は、38名でした。

 はじめに、「聴く」ことは話すことより難しい、からお話しは始まりました。そして今日は何か一つでも身に着けて帰って欲しいと言われました。確かに、私達高齢者ほど「話す」ことが先に来て、「聞く・聴く」ことが疎かになりがちです。このことを先ず自覚することからスタートしました。今日は、「体験型講習会」にすると言われ、「書く」ことや参加者が動くことが動作記憶につながり、「聴く」ことがより重要だと認識して欲しいと言われました。通常、生活雑音を含め、聞くことは話すことの3倍の量がありますが、聞き流しているのが実態です。「きく」には、「聞く」(受動的)、「訊く」(能動的)、「聴く」(積極的)の3つがあり、「聴く」には「理解する」~「考える」~『洞察する」~「共感する」の行動の流れが発生します。そしてコミュニケーションはキャッチボールで、相手が受けとめやすいボールを投げることが大事です。

 今回、初めての試みとして、「話し手」と「聞き手」に分かれて、「ロールプレイイング」を行いました。席替えをして二人一組になり、話し手には<テーマ>を4つ与えて、それについて話をさせ、聞き手は声を出さずにただ聞くだけです。役割交代もしました。色々な感想がそれぞれから出ましたが、話し手では楽しいが一番多く、聞き手ではもどかしいが多かったです。よくない聞きグセとして、聞いていない、取り敢えずうなずく、自分の関心のある所だけ聞く、話の腰を折る・取る・さえぎるが挙げられました。ちゃんと聞けると、「話し手」にはカタルシス効果=「すっきりした」が生まれますが、「聴き手」には有用感「お役に立てた」のと無用感が並存するようです。相手のこと(話)が全て受け止められるとは考えないことと、自分だけの想像ではダメで、相手の話を聞きつつ話の間に確認を入れることも大事です。実生活の場面でも、お互いがちょっとづつ気を付けて確認し合うと、夫婦関係がよくなると思いました。

 ノンバーバルコミュニケーション(非言語的)とバーバルコミュニケ―ション(言語的)についての説明もありました。前者は、表情、“ミラー効果”、うなずき、姿勢、位置(正面か斜め前か隣がよい)アイコンタクト(顔のどこかに視点を当てる)など。後者は、「あいづち」のさ・し・す・せ・そ(さすが、知りませんでした、すごいですね、センスいいですね、そうなんですか)と「質問」:クローズドクエスチョン(イエス/ノー)とオープンクエスチョン(5W1H)について言及がありました。最後に、「聴くための留意点」を6点挙げられ、『「聴く」ことの大切さ』のまとめとして7項目(1.心を白紙にして聴く2.集中して聴く3.辛抱強く最後まで聴く4.確かめながら聴く5.問い返す6.興味や関心を態度で示す7.目で聴く)の説明がありました。そして、これらの項目をもう一度読み返して、今後の自分の生活の場で活かして行って頂きたいと締め括られました。簡単なアンケート用紙に記入して講演会は終了しました。大岩先生は、アナウンサー出身だけに、よく通る力強いお声で終始飽きさせず、話しの中に引き込んで頂きまして、大変有意義な時間を過ごすことができました。厚く御礼を申し上げます。次は、「話し方」の体験型講演を受けてみたいと思いました。

 

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