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第81回「京都・学ぶ会」會田広宣(あいだひろのぶ)様

第81回「京都・学ぶ会」會田広宣(あいだひろのぶ)様(PHP理念経営研究センター,『[実践]理念経営Labo』編集長)
講演報告「『PHP』と松下幸之助とわたし」

 連日の猛暑が続く2025年7月28日(月)に、PHPより會田広宣様にお越しいただき、「『PHP』と松下幸之助とわたし」と題して講演をしていただきました。会員36名が出席しました。會田様は1974年生まれ。神奈川県出身。一橋大学卒業後PHP研究所に入社。普及一部(書店営業部門)に配属。月刊誌『PHP』副編集長、教育出版部編集長などを務め、主に雑誌、書籍などの商品制作にかかわられ、2024年より現職。司会の方から「PHP]の購読者を確認したところ、意外と少なく3名でした。
 講演は、簡単な自己紹介から始まり、前半は「松下幸之助とPHP]については話されました。準備された映像資料は、講演のレジュメに沿って作成されており、大変丁寧なものでした。戦後、松下幸之助がおかれた状況は、公職追放・財閥指定を受けその苦境の中で、「人間は本来。物心ともに豊かな繁栄のうちに、平和で幸せに生きることができるはずだ」との考えから、「PHP研究所」を1946.11.3に創設されました。来年で80周年になります。「PHP」はまさに、Peace and Happiness through Prosperity」を目指し、1947年5月に創刊されました。
 私達世代にとっては、松下幸之助創業者は松下電器の象徴であり、経営の神様として内外からの注目と尊敬を集めており、月刊誌「PHP]は指針となる考え方がぎゆっと詰ったものでした。「一日教養 一日休養」という懐かしい言葉を思い出しました。1947年 6870部からスタートして、1965年 6万部、1969年1月には遂に100万部に達しました。またPHPの教典である『道をひらく』は、2025年4月に 570万部を突破し、和書では「窓ぎわのトットちゃん」に次いで2位の出版部数を誇ります。因みに、1970年の大阪万博の「タイムカプセル」には「PHP]と「道をひらく」「人間宣言」が収納されいます。その後のPHP研究所の活動は、一般書籍、雑誌、ゼミナールと幅広い分野に展開されています。『出版報国』を目標にして、『人間を考える―新しい人間観の提唱』、月刊誌『VOICE』、PHP文庫・新書等々があり、数多くのベストセラーを世に出ています。また「松下政経塾」とも強くつながっています。
 後半は「『PHP』とわたし」と題して、PHPの編集にかかわって感じたことを具体的な事例を紹介しながら話されました。「衆知を集める」を体現した媒体として、読者参加型、「事業は人なり」(人づくりの場としての役割)を意識した編集をを心掛け、いくつかの編集ちょっといい話(会社内でのPHP勉強会ほか)、『PHP』の特集テーマが時代とともに変遷してきたこと(政治的内容から人間関係や心や気持ちが晴れるヒント)、被災地(学校)への贈呈&作文甲子園、法人向け商品の発刊(『松下幸之助創業者日めくり』。『パナソニックグループ秘書心得帖)の紹介、理念経営研究センター『実践理念経営Labo』で手掛けておられること紹介(電子雑誌の発刊、『松下幸之助選集』(全9巻)、研修講座「松下幸之助経営塾」のサポート、松下幸之助生誕130周年イベントなどの紹介がありました。中でもパナソニックと共同開発した『松下幸之助再現AI』は、創業者のはっきりとした話ぶりの再現に驚きました。その他、パナソニックグループとのかかわりのトピックスの紹介もありました。最後に、PHP理念とは、PHPで働くこととは、PHPの思いと願いを、「見方・考え方」のイノベーションで社会を変えること。創業者が追い求めた「自然の理法」という答えなき問いの答えに近づくこと。「物の見方・考え方」の大切さ、「世のため 人のため」「示唆に富む」コンテンツの提供を挙げられました。私個人としての思いですが、現在のパナソニックが、経営者も社員も創業者の人間哲学や経営哲学をしっかりと引き継いで、日常の企業経営活動に生かしているかを、OBに対しても社会に対しても示してくれることを心から強く願いました。
 最後に、會田先生に拍手を送って御礼にかえました。

 

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