2024年12月に、「お茶と宇治のまち交流館 茶づな」で行われた講演(※)で、初めて緑茶「碾茶折」を試飲させていただきました。旨みが口の中に残る美味しいお茶でした。
碾茶は、これを茶臼などで挽くと抹茶になります。
「碾茶折」は、茶葉(ちゃよう)を碾茶に製茶する際の葉脈部分です。
抹茶にするには硬すぎるので取り除く部分ですが、お茶の旨みは、茎から葉脈を通って葉っぱに届くので、葉脈にも 旨み成分が沢山残っています。普段は、かりがね(お茶の種類のひとつ)などに入れているそうです。
茶農家さんはこの碾茶折だけで飲んでおられるそうです。
(製茶工程は、下記の<ご参考>をご参照ください。)
「碾茶折」の淹れ方
(講演で紹介いただいた方法を参考にしていますが、お茶と水の量は不明でしたので、自分で試した量です。お試しの際は、ご調整をお願いいたします。)
・水出しで淹れます。碾茶折だけでなく、贅沢に碾茶も入れる方法を習いました。
・お湯だとえぐみが出てしまうとのことでした。
・宝瓶(ほうひん)か、急須などに、碾茶折と碾茶を合わせて5g程度いれて、水を180mL注ぎ、1時間ほど放置。その後、宝瓶をゆすらないように、お茶をグラスに注ぎます。
・茶殻は、ポン酢などをかけて食べてみてください。 ちょっと硬いかもしれません (^^;






お召し上がりください
<ご参考> 製茶工程
碾茶を作る茶葉(ちゃよう)は、茶葉を摘む前に2~3週間覆いをして日光を遮った「覆下茶園」から摘み取ります。覆いをすることで、日が当たって育った茶葉よりも 旨みの多い柔らかな新芽に育ちます。摘み取った茶葉は下記の工程を経て碾茶となります。
製茶工程
蒸熱:茶葉を蒸気で蒸して酸化を止めます。
冷却:散茶機(送風機と「かや」の組み合わたものを3~5台つなげた構成)の
中で、茶葉を送風機で吹き上げながら、すべての「かや」を通過することで
蒸気の露を取り、茶葉が重ならないように、次段の碾茶炉にいれます。
乾燥:碾茶炉内を茶葉が乗ったコンベアーが往復し、熱風と輻射熱で茶葉を芯から
水分を取り除きます。この際に茶葉は揉みません。
乾燥が終わったものを「荒碾茶」と呼びます。
分離:「荒碾茶」は、茎や葉脈などの部分が乾燥しにくいので、茎・葉脈を分離して
乾燥させます。
乾燥:葉と茎・葉脈を別々の乾燥機で水分量を保存可能な5%程度まで下げます。
葉の部分が「碾茶仕上げ茶(碾茶)」となります。
茎部分は「茎ほうじ茶」に仕立てられて、葉脈部分は「上折(碾茶折)」に
なります。
引用ホームページ 碾茶の製茶方法:京都府茶業会議所 https://ujicha.or.jp/knowledge/flow/seichahoho
※:第4回講演「宇治茶の旨みを楽しむ」2024年12月8日(日)11:00~12:00
(当日の演題「伝統的な宇治市内の覆下栽培」)
講演ゲスト:福井 景一様(福文製茶場5代目園主)
宇治市 久茂田
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