会員だより 『瀬田川南岸沿いをウォーキング』

会員だより

  『 瀬田川南岸沿いをウォーキング

◆はじめに 

 昨今のコロナの影響でゴルフの機会が減り、もともと上手くもない腕がなまることは気になりませんが、この状況が早く収束して気の置けない連中と再会できることを願っております。フェアウェイキープ率の関係で山あり谷ありで結構足腰の運動にもなっていたので、その分運動不足を解消する意味でも休日には努めてウォーキングに出かけております。以前から日課にしている短時間の散歩に加えて、3時間程度の長距離ウォーキングの回数を少し増やしました。いくつかのコースがありますが今回は瀬田川南岸コースを紹介します。

1.幻住庵(げんじゅうあん):スタート地点

 松尾芭蕉が奥の細道の旅の後約4か月間滞在した「幻住庵」という草庵が自宅のすぐ近くにあります。国分山の近津尾(ちかつお)神社の場所に位置し近隣の小高い丘からは琵琶湖南端から瀬田川にいたるエリアが一望できます。ここから石山高等学校を経て瀬田川方面に向かいます。

 2.石山高等学校の桜
 1963年(昭和38年)に設立され、普通科と音楽科が併設されている公立高校。校舎東側に大きな桜の木があり桜の季節に通りかかると、半世紀にわたり多くの生徒たちを見守り送り出してきた自然のエネルギーを感じます。

 3.石山寺山門
 石山高等学校東側の急な坂道をおりて約20分ほどで瀬田川が見えてきます。川沿いに南下するとやがて右手に石山寺山門が見えます。石山寺は真言宗の大本山であり、天平19年(747年)に聖武天皇の勅願で奈良東大寺の良弁僧正により創建されました。紫式部が「源氏物語」の着想を得たと伝えられており、「蜻蛉日記」「更級日記」「枕草子」などの文学作品にも登場します。

4.琵琶湖毎日マラソン大会で有名な平津峠
  さらに20分ほど南に進むと琵琶湖毎日マラソン大会でいつも駆け引きのポイントとして紹介される平津峠(高低差7m)にさしかかります。このマラソン大会は1946年(昭和21年)に第1回「全日本毎日マラソン大会」として大阪府で開催され途中から会場を滋賀県に移行した日本で最も歴史のある大会です。しかし今回の第76回大会をもってその幕を閉じ、2022年からは大阪マラソンと統合しますが、琵琶湖での最後の大会にふさわしい大記録が出ました。鈴木健吾選手が2時間4分56秒の日本新記録。日本選手のますますの活躍が期待できる内容でした。

5.瀬田川洗堰
 平津峠を越えて20分ほどして左カーブを進むと右手前方に瀬田川洗堰(1961年,昭36竣工)とその左手上流には旧堰の南郷洗堰(1905年、明治38竣工)の遺構が見えます。子どもの頃、洗堰付近でよく魚釣りをしたことを懐かしく思い出しながら全長173mを渡りきり左手にある「水のめぐみ館アクア琵琶」の敷地を抜けて、近江八景の「瀬田の夕照」になぞらえた「夕照の道」に出ます。

 6.夕照の道(せきしょうのみち)
 春には沿道や対岸に咲く満開の桜、ボートやカヌーを懸命に漕ぐ学生たちの姿そして時おり魚が水面上に跳ねる光景を見ながらウォーキングを楽しみ、やがて前方に瀬田の唐橋が見えてきます。

 

7.瀬田の唐橋
 ウォーキングの最終ポイント。瀬田の唐橋は日本書紀にも登場し近江大津宮遷都(667年/天智天皇)の時代に架橋されたと伝えられており、古来「唐橋を制する者は天下を制する」と言われ昔から多くの戦乱の舞台となってきました。現在もその重要性は変わりませんが、建部大社の「船幸祭」(8月)の大神輿の巡回や花火の観賞スポットとしても多くの人々が集う場所になっております。

あとがき
 約3時間のコースですが、時間は短く感じます。これからも四季の移り変わりを肌で感じながらのウォーキングを楽しみたいと思っております。
令和3年5月   大津市  中山 守さん

 

コメント

    • 今井俊夫
    • 2021年 5月 05日

    「瀬田川南岸沿いをウォーキング」中山さんの記事楽しく拝見いたしました。
    この時期、歩くことが大切だとわかっていますが、なかなか実行することが難しいです。
    中山さんの記事をみて「瀬田川南岸沿いを散歩したいと思います。
    私のお勧めは、中山さんのお宅の近く名にある「幻住庵」から東海自然歩道を歩き音羽山まで」散策されるのも
    良いと思います、

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