日本の城・国宝松本城

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                   -は じ め に- 
日本の城シリ-ズ現存天守第4弾は、甲信越地方で唯一の現存天守を有する松本城
取り上げました。「現存天守12城」“平山城”が大勢を占める中、松本盆地の扇状地
に築かれた“平城”松本城のみ
です。また姫路城と共に全国区の人気を博す城であり
威風堂々黒漆が際立つ凛とした天守の
佇まいに魅了され度々足を運んでいます。
とりわけ残雪の北アルプスを背景にした期間限定の城郭雄姿は清しい趣があります。
信州人の“心のふるさと”松本城の歴史・特徴・話題(トピックス)なりをご紹介‼     
                  -歴     史-
松本城の歴史を紐解くと、戦国乱世の時代信濃府中といわれた松本平中心の井川に
館を構えていた信濃守護小笠原貞朝が家臣島立貞永に命じ、築城された“深志城”
始まりとされている。時は流れ戦国最強“甲斐の虎”と恐れられた武田信玄が小笠原
長時を追放!信越侵攻の拠点として32年間支配下に置いた。
その後天正10年(1582年)小笠原貞慶が本能寺の変による動乱の虚に乗じて
“深志城”を奪還、城名を“松本城”に改めた。
時は移り “天下統一”を成した豊臣秀吉の家臣石川和正・康長父子が入城これを境に
“近代城郭つくり“に着手、康長の手により天守(大天守・乾小天守・渡櫓)はじめ
御殿・太鼓門・黒門・櫓・
塀が築かれ後に辰巳附櫓・月見櫓が増築され近代城郭の
“松本城”
の輪郭が形成された。
天守は築後100年が経過し徐々に傾き始めた!
軟弱地盤に加え支柱の老朽化が
原因とされ“廃城令”で多くの城が取り壊された明治
時代において(10年)更に昭和時代に(5年)の歳月を費やし修復作業が行われ
今に
至っている。
                  -特     徴-
松本城は本丸・二の丸・三の丸と三重の水堀に囲まれた梯郭式と天守を城郭の
片隅に配置
2~3方向を他の曲輪で囲んだ輪郭式を合体した縄張である。
松本城の最たる特徴は築城時天守は5重6階の大天守、3重4階の乾小天守
渡櫓で結んだ連結式構造だったが寛永年間に松平直政が辰巳附櫓月見櫓を複合
させた他に類を見ない連結複合式構造を形成している。
天守は一見5階に見えるが、建物内部には屋根裏部屋の様な中3階が存在窓が
なく明かりは南側千鳥破風の木連格子から僅かに入る通称“暗やみ重”と称される。
戦国時代に築かれた天守は“戦さ”を想定した備えを有し、鉄砲や弓を放つため
狭間(さま)や敵を標的にした石落しが随所に施された!更に鉄砲戦に備え
火縄銃の命中精度を高める工夫がなされ内壁幅を約30cmに分厚くした。
現存する城郭建造物で月見櫓を有するのは松本城と岡山城の2城だが、天守と
一体となった月見櫓は松本城のみである。
天守1階の廊下は内側床より約50cm低くなっており戦時に武士が矢玉を持って
廊下を走る様から“武者走”と呼ばれた。
天守最上階(6階)の天井は「井」の字の木枠“井桁梁”で組まれている。
天守の千鳥破風と入母屋破風には彫刻を施した飾り板“かぶら懸魚”が取り付けられ
ているが懸魚芯材はヒノキで出来ている。
乾小天守の内部は丸太柱が多く使用されている。
❿城郭建造物の黒門櫓門枡形から構成され、本丸や天守防御の要の門であった。
             -話題(トピックス)-
松本城姫路城犬山城彦根城松江城と共に“国宝”に指定されている。
松本城は現存する日本最古の「5重6階の天守」を有する城である。
太鼓門横に総重量約23tの巨石が埋め込まれている。この石は松本城を築城した
石川玄蕃守康長が運ばせたことから“玄蕃石”と称される。
❹古来より小笠原氏が時代を紡ぎ丹精し育んだ“牡丹”が、昭和32年11月本丸庭園
に移植され“小笠原牡丹”として来城者に和みをもたらしている。
❺本丸の一画に群馬県館林市出身の日本初の女性飛行士向井千秋さんが平成6年
1994年)スペ-スシャトルで宇宙に持って行った“ツツジ”から発芽させた
苗木が館林市から緑化活動に積極的に取組んでいる松本市に寄贈され松本城に植えら
れたその由来から“宇宙ツツジ”と呼ばれ親しまれている。  

                   -城 郭 写 真-

城郭写真は今年4月「白馬村」での“桜”を撮り終えた後、安曇野まで戻り車中泊
翌朝“あさもや”の中、一路「松本城」に向かいカメラに収めました。
刻々変じる陽光に合わせ天守の雄姿も“七変幻”レンズ越しに荘厳且つ凛々しい佇
まいに触れ“国宝”たる不変の城姿を堪能しました。
平日なれど人気のお城だけあって来城者も多く、とりわけ眼についたのが外国人が
大挙して訪れていることでした!様々な言語が飛び交い、さながら「ここは海外?」
と見迷うばかりの賑わいでした。

            投   稿  / 吉 村 竹 信
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コメント

    • 水野雄次
    • 2023年 7月 05日

     心(?)身共に健康な吉村さんは元気に趣味を生かして活動をされてますね!! 一つの城でも見る箇所や見る角度によってさまざまな姿を見せてくれますね!!
    松本の城下町での楽しい出逢いは如何でしたか⁉ 出かける度に様々な出逢いがあって楽しいですね、(^^♪  歴史や特徴など何時もの事ながら事細かに学ばれ感心します。心を和ませて頂をありがとうございました。

      • 吉村竹信
      • 2023年 7月 05日

      何時もコメント頂き有難うございます(._.)
      水野さんの得意な盛り上げコメントに感心しています(^^)/ 
      松本城訪れる度に新しい発見(出会い)があります。
      これからも時間をつくり”城めぐり”継続してまいります。
      ヨロシク(^_-)-☆

    • 浜崎道哉
    • 2023年 7月 05日

    いいですねぇ!!松本城。有難うございます!!
    青空と雪のアルプスを背景にした黒漆の松本城、最高に好きです!!
    どの場面も松本城はどっしりとして威厳があっていいですね。
    日頃の行いのせいか天気も最高だったようで、流石です。
    松本城に行ったのはもう14~5年前ですので、また行きたくなりました。

      • 吉村竹信
      • 2023年 7月 05日

      浜崎さんコメント有難うございます(._.)
      松本城は姫路城のような大規模城郭ではありませんが、凛とした荘厳な城姿は
      流石”国宝”感動ものです(^^♪ 外国人も惹かれる魅力を秘めていますね(^_-)-☆

      これからも折に触れ”松本城”訪れたいと思います。

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