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第48回 「京都・学ぶ会」を開催しました

竹工芸の世界―日本人と竹の文化

●講 師:        高比良 護 様 (竹工芸家)
●テーマ:         「竹工芸の世界―日本人と竹の文化」
●開催日時&場所:   2019年3月 25日(月)、ラボール京都・第8会議室
●出席者数:        45名

 

 講師の高比良護様は和服が良く似合う、長崎出身で右京区太秦在住の39歳独身の方です。横浜国立大学の造船科を卒業後、航空機整備事業会社に8年勤務され、心に期するところがあり、京都伝統工芸大学校に入学されました。これを契機として竹工芸の世界に入られるとともに、併せて茶の湯の道にも入られ、現在は母校や教室で講師もされています。基本的には物作りがお好きで、今後のご活躍が大いに期待される人物です。

 竹のつく苗字は、竹内、竹中、竹村、竹田等沢山あります。ことわざには「竹馬の友」、「破竹の勢い」もあります。竹は植物学的には真竹、孟宗竹、淡竹等、外観的には青竹、白竹、しみ竹、ゴマ竹、亀甲竹等に分類され、約1200種、うち日本には約600種あります。生態、分布(熱帯と温帯)、用途(大変広い)などにも言及されました。竹工芸では、一時加工で水洗、乾燥、油抜(火あぶり、湯抜き)、矯めがあり、二次加工では、見る、切る、割る、へぐ、幅引き、面取り、厚み調整、削る、曲げる、編む、かがる等の工程があり、道具には、鉈、鋸、小刀、幅引き、切り台、丸太等があります。

 竹と笹の違いは、皮があるのが竹で、皮のないのが笹です。地下茎が親であり、竹は子供に相当します。竹工芸は日本の伝統工芸であり、竹の産地ではそれぞれに幅広い竹製品が作られております。生活道具、民芸品、工芸品、美術品とあり、使い捨てから美術館までとピンからキリまであります。
 休憩時間には竹工芸品が展示即売され、会員は実際に手にとって竹工芸品を確かめて買い求めたりしていました。最後には、竹工芸の世界の現状とこれからに触れられ、職人なのか作家なのか、後継者不足は本当か、工房と住居の問題等にも言及されました。

 お好きな船舶や飛行機の話もされました。かって海外出張された時、観光はせずに船ばかりを見て回ったと愉しく話されました。たとえば、飛行機や船は通常左舷(ポートサイド)から乗りますが、これは非常時には90秒以内に脱出できることが決められており、保安上片側から乗ります。これは船舶乗船の名残りです。
 講演の終わりには大きな拍手を受けられました。

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