宍道『夫婦岩』(めおといわ)

今年はイノシシ年。勇敢に進みましょう!!年齢(とし)を考えて!!

宍道の名の由来は、「出雲国風土記」にあるように、大国主命が犬を使って猪狩りを行い、猪が通った道、すなわち猪道(ししじ)が変化して宍道になったと言われている。そして、2頭の猪と、犬は石になったと伝えられている。

ここで問題!! 「出雲国風土記」に記載されている猪石と犬石はどこにあるか?
実は二か所が候補に挙がっていて、まだどちらか決着がついていない。
その中の一か所は以前に「我が町」で紹介し、掲載されている「石宮神社」。ここには猪石が2体と、犬石(御神体)が鎮座している。
そして、もう一か所が今回紹介する、宍道町白石にある「夫婦岩遺跡」。ここには巨石が2体鎮座している。古墳時代の土器片も出土しており、巨石信仰があったと思われる。地元では「夫婦岩さん」「宍岩(ししいわ)さん」などと呼ばれている。
ところが、近くに犬岩が無い。ならば、「石宮神社」で決まりではないのか?
ここで問題となるのが「出雲国風土記」の記述、2か所。
1つは、「宍道の郷、郡家(国庁)の真西37里(さと)・・・追い給いし猪の像(かた)、南の山に二つあり、・・・」とある。では南とはどこからのことか?どこを基点として言っているのか。
その先には、「宍道の駅家(うまや)郡家(国庁)の真西38里(さと)」となっている。この「8」の部分が不明との指摘もあるが、入るとしても「8」か「9」。駅家は今の駅のような街道の基点となるところ。これは同じく「我が町」に掲載されている「宍道追分」の付近だと言われている。
このことから、「宍道の郷」はほぼ、今の宍道の町付近と考えられる。ここから見ると「南の山に二つあり・・」はまさに「夫婦岩」となる。そして、出雲大社の古い資料に夫婦岩の上方に「犬岩」があったと記載されているらしいが、現在は誰もそれを確認していない。
2つ目の問題は、猪岩2体と犬岩の大きさが「出雲国風土記」に「一つは長さ2丈7尺(約8m)、高さ1丈(約3m)、周り5丈7尺(約17.6m)なり、・・・・」などと明確に記載されている。この寸法は「石宮神社」の猪石2体と犬石の寸法とぴったり一致する。

巨石信仰が行われていたころから現代まで地元の人が代々大事に守ってきた両方の大きな岩。「出雲国風土記」を記載した人が後世に残した大きな課題か。
「宍道」の名の由来となった猪岩。「石宮神社」か「夫婦岩」か、それとも・・。
さあ、あなたはどっち!!

アクセス:
JR宍道駅から徒歩20分 全国農業協同組合連合会島根県本部家畜市場駐在内にある周道付近の中国横断自動車道よりの山の中

(情報 和田森洋)

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