自由投稿 山行報告 利尻山と礼文岳

山行報告 利尻山(1719m日本百名山)と礼文岳(490m花の百名山)

作成日:2022年6月8日
富田丘町: 柴田武徳

日本最北の海上に聳え立つ利尻山、そして花の宝庫と言われる礼文島、この二つを同時に楽しめるようにと6月の初めに焦点を合わせて旅程を組んだ。神戸空港から千歳経由で直接利尻島の利尻空港へ、さらに沓形港からフェリーで礼文島の香深港へ移動しここで前泊。礼文岳は礼文島観光を含めて軽い足慣らしとし、下山後はその足で再びフェリーで利尻島に戻り、本番の利尻山に備えるという段取りである。エアラインの選択については、神戸で荷物を預けたあと利尻で荷物を受取れることや、欠航などのトラブル時に備えてANA便に統一した。
礼文島への移動日は、本州の中央部は天候がすぐれなかったが、北海道上空は天候に恵まれ、千歳空港を飛び立った直後には、遠くに十勝岳や大雪山系ではないかと思われる残雪のある山並みを確認することが出来た。このあと搭乗機は稚内のある野寒布岬と利尻島の間を北上し、さらに利尻島と礼文島の間を抜けてくれたので、空から礼文岳の姿を確認することもできた。飛行機はそのまま時計と反対周りに螺旋を描くように空港の南西側に回り込んでから着陸をした。利尻空港から見る利尻山の凛々しい姿に感動。残雪はあるものの稜線には雪は残ってなさそうに見えた。

(6月7日)礼文岳
礼文島の宿は香深港から歩いて3~4分程の所。宿の軽四をレンタカーとして借りて礼文岳の登山口へ、昨日につづいてこの日も風が強いため車に乗り込む時からカッパを着こむ。途中コンビニに寄っても15分程で登山口に着く。8:05にスタート。急斜面のジグザクの道を登っていくとすぐに樹林帯に入る。10分程も登ると、道はなだらかになる。足元もそうであるが木の間から見える遠くの丘陵もクマザサでおおわれている。この日は風が強いだけでなく雲が低く垂れ込み視界が悪い。頂上直下からは急な登りになるがスタートから2時間程で頂上に着く。写真を撮ろうにも体があおられる程の強風に岩陰で風を避けながらの昼食。視界が晴れるのを30分程待ったが、その兆しは全くなくあきらめて帰途についた。下山後はアツモリ草の保護地へ。私としては初めて見る花で絶滅危惧種のようだ。花は袋状の形で普通は白色だそうだが珍しいとされる赤紫色の花の株にお目にかかった。このあと礼文島の最北端のスコトン岬まで足を延ばしたが岬は突風が吹き荒れカッパを着ていても耐えられないほど。翌日の利尻山登りが危ぶまれた。

(6月8日)利尻山
前日までは強い風が吹きまくっていたので、悪天候に備えてヒートテックを着こむ。利尻山へは北側からの鴛泊(おしどまり)コースを辿るが登山口へは宿の送迎がある。ずっしりとしたおにぎり弁当を受け取り5:00に出発、10分程で登山口に着く。ここには町営のキャンプ場があり日中は職員が詰めいている。まず外来種植物の持ち込み防止用の靴の洗い場を通って5:20にスタート。舗装の道を10分ほど歩くと日本百名泉水の甘露泉水に着く。湧き出る水量は豊富だ。
ここからが山道になり、入った所に標高270mの三合目の標識がある。ここからすぐ先にあるポン山への分岐を右手に折れ山頂を目指す。歩き始めて30~40分で標高390m の四合目を通過。ちなみに五合目は標高610m、さらに六合目で標高760mの標識。これでは道のりの目安にはならない。六合目は第一見晴台となっていて眺望がいい。七合目からは胸突き八丁の急坂。八合目手前の第二見晴台からは山頂方向以外は遮るものがない。今日は好天に恵まれ礼文島もくっきり見え、山頂からの景色に一層の期待が膨らむ。登り始めて3時間45分程で八合目の長官山に到達したとたん利尻山の雄姿が現れる。残雪とのコントラストが程よくあまりの凛々しい姿に言葉を失うほどの感動だ。ここから少しゆるやかなピークを越えると避難小屋。コロナ禍でなければ15人程度は泊まれそうだ。避難小屋を過ぎた所に雪渓があり100m近くのトラバース(横断)をするが、ゆるやかな傾斜の雪渓なのでアイゼンの必要はない。九合目からは急坂で火山礫の土質になり、道の際まで崩落している所、また道のえぐれた所も多々あるが概ね整備が行き届いている。また、ところどころに長さが10cm以上に育った霧氷が砕け落ちている。
11:25に山頂に到着。1年に1度あるかないかの好天。前日まで吹き荒れていた風もなくほとんど無風状態に感じる。360°のパノラマに、礼文岳もハッキリと識別でき、南側の突き出したろうそく岩も大迫力、今回の山行の全てが凝縮された光景であった。

利尻島と礼文島の植生はよく似ている。一つはクマザサである。両島とも平坦地や丘陵地はクマザサでおおわれており、樹林帯やハイマツ帯でもクマザサが同居している。礼文岳は標高が490mと低いこともあり頂上付近もクマザサで覆われている。クマザサは背丈が統一されているので遠目にみるとバリカンで刈った様に実にキレイに見える。二つ目は舞鶴草である。小さく可憐な花であるが、いたるところで群生していて、雑草のごとくはびこっているという感じである。
利尻山の残雪の状況からはもう一~二週間早めてもよさそうでもあったが、北海道は日本の中でも屈指の海の幸の宝庫。しかもウニの解禁は6月からのようで、宿では毎日生うにを食べさせてもらえた。利尻山の残雪景観、礼文の花、そしてウニと三拍子がそろう6月の初めのこの時期が利尻登山のベストタイミングと確信した。
◆メンバー:K、F、H、S
◆コース:(6月7日)礼文岳登山口8:05~合流点~314mピーク~礼文岳10:15~礼文岳登山口12:15
(6月8日)鴛泊登山口5:20~甘露泉水~七合目~第2見晴らし台~避難小屋~九合目~利尻山山頂11:25~鴛泊登山口16:45
◆所要時間/歩行時間:(6月7日)4時間10分/3時間35分、(6月8日)11時間25分/9時間40分

 

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