第42回 夢中人紹介  市田 清さん

  いちだ きよし

 

”感動を伝えたいという思いが、絵を描くことの原動力!”

枚方市香里園山之手町在住
2021年4月1日 投稿

1、はじめに

市田さん近影

 今回の夢中人は、「絵画歴」40年を誇る市田 清さん(10班)をご紹介します。
小学校時代に学校代表として、天王寺の大阪市立美術館に展示されたことが、何の取り柄もなかった自分にとって「嬉しく、懐かしい思い出」として今も残り、絵心が芽生える契機となられた様です。
 パナソニック入社後10年を過ぎた頃から、忙しい仕事の合間を縫って、本格的に絵画活動を開始されました。屋外での写生が中心で、国内外の名勝を訪ね、絵筆が飛び回っています。

2、私のプロフィール

  • 1948年 大阪市に生まれる。
  • 1970年 パナソニック株式会社に入社。38年の勤務を終え、2008年定年退職。
    技術本部、生産技術本部、情報機器本部、インターメディアカレッジ、人材開発カンパニー各所にて、
    IT開発、ITリテラシー、セキュリテイ分野で生産性向上に貢献。
    高密度実装CAD、IC・LSI開発シミュレータ開発により、品質向上ならびに商品力向上、開発期間短縮と事業競争力強化に貢献。
    情報セキュリテイISO27000 審査委員。
  • 1982年頃から絵画制作に取り組む。
    勤労者美術展(労美展)第一席、日曜画家賞(1992年)
    公募展出品(1993年~現在):全関西美術展(1993年~1996年)、行動美術協会、新制作協会、近代美術協会他
    個展開催(1999~2019年まで毎年):京都祇園 ぎゃらり西利にて
  • 所属団体:近代美術協会会員、京都デジタルフォト研究会会員、枚方市生涯学習推進審議会委員
  • 著書:画集「私の100枚の絵」(大盛堂書房、2017年2月上梓)
       書籍「技術と絵心で育まれた私の軌跡」(工学研究社、2008年1月上梓)

3、私と絵画

  <以下の画像はクリックすると拡大し、画像の外をクリックすると元に戻ります>

 私にとっての「絵」とは何だろうか? 自分の感じたものを表現したもの。その感動が私の絵の中にある。描くことは対象に触発され、自分にあるものを見つけ出し表現すること。感動を伝えたいという思いが、描くことの原動力である。
 自然と風土は四季折々に、いつも見慣れた風景を、ある時ハッとする美しい姿に変える。祭りの躍動感、日々の暮らしの中にも新鮮な驚きがあり、春になれば花を咲かせ、やがては枯れるが、次の春には再び花を咲かせる。そして自然は死と再生の循環を繰り返している。動植物は土から生まれて土にかえる。

 描くことは、その場に居合わせた空気とひとつになることである。見知らぬ世界との出会いは、新鮮な驚きとの発見。会社生活の忙しい時間を縫って、多くの時間と制作費用を費やしてまで‥。それは絵を描くことが、楽しいからに尽きる。

 仕事で東京出張のとき、時間が取れたので上野の美術館で「ゴッホ展」を見た。この時「自分もこんな絵が描けたらいいな」と思った。高校時代の美術の時間に初めて出会った油彩道具を引っ張り出して、枚方市の公民館の油彩サークルに参加し、仲間と自由に写生をした頃の楽しい思い出。その翌秋、交野のくろんど池辺りをドライブしていると、あのゴッホの作品と同じ構図の場所を発見。早速、私は50号のキャンバスを車に積んで、3週間続けて土曜、日曜の朝から夕刻まで描いたのが「里の秋」である。この作品は勤労者美術展第一席に選ばれた。

 この頃から、時間があれば日本の美や海外での感動の印象を100号のキャンバスに描くようになった。私の絵は写生主義である。車の屋根に100号のキャンバスを積み現地で描く。現場からしか、その場の空気をつかめないからである。画家には二つのものが必要である。それは眼と頭脳であり互いに助け合わなければならない。対象を素直にみる眼。頭脳は本質を把握し表現手法を習得する力である。仕事が技術系なので「なぜ、なぜ‥」と追及することには慣れている。

 ゴッホやセザンヌの原画、モネやマチスの作品は、機会のある限り見るように努めた。ゴッホの日記、セザンヌの美術論を熟読した。現場で描いた100号の大作を、毎年公募団体に出品してきた。友人の勧めもあり、2000年から京都の祇園で毎年個展を開かせていただいており、今年で25回目になる。数年前から、かつての同じ職場の長行司氏の書とコラボレーションを始めた。

 2007年、定年を機に友人の勧めもありデジタルカメラを始めた。カメラの場合、魅力に富む自然界の彩りの変化を求めて、その一瞬を捉えなければならない。シャッターチャンスは、望むような色彩になるまで根気よく待って、その一瞬に賭けなければならない。絵もカメラも対象との出会いは、まさに一期一会である。画家は絵筆と絵の具でキャンバスに、カメラマンは一瞬のシャッターチャンスで捉える。

 これまで描いた作品を、多くの人の安らぎの一助になればとの想いと恩返しの想いから、出身の兵庫県立大学学生会館、パナソニックの関連施設のパナヒルズ大阪、老健施設、松下記念病院に寄贈した。これからも自然の恵みやまだ見知らぬ世界と出会いの感動を楽しみに、初心を忘れず歩んで行きたい。
◇主な寄贈先:兵庫県立大学学生会館ホール、パナソニック関連施設、パナヒルズ大阪、老健施設、松下記念病院他

4、私の代表作品(年代順)

 画集「私の100枚の絵」掲載作品から、自薦させて頂きました。
 (奥様の典子さんも写生仲間で、2枚掲載させて頂きました/編者注)

<資料提供:市田、HP作成:吉川>

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