第49回 夢中人紹介  堀田 定吉さん

  ほった さだよし

 

美味しくな~れ! 美味しくな~れ!! 美味しくな~れ!!!

 

枚方市高田1丁目在住

取材日2022年5月29日 

1.はじめに

 今回紹介させていただくのは、枚方市高田にお住いの堀田定吉さんです。堀田さんは、産湯をつかった築100年の家に今も住んでおられます。又現役時代は、液晶事業関連の研究開発から事業化までに関わり、1986年には世界で初めてのフルカラー液晶テレビの市販に成功されました。農業とは無縁の状態から始め、松下OBの農業仲間から自然農を学び、7年が過ぎました。約1.6反(1600㎡)の休耕地の開墾からスタートし、最近は農地で楽しく汗をかく日々を過ごしておられます。そんな堀田さんに農業の魅力や活動ぶりをお聞きし皆様に紹介させていただきます。

2.堀田さんのプロフィールを紹介します(堀田様記事を全文紹介します)

  • 1972-74  阪大 理学部大学院、半導体の物性
  • 1974   松下電器産業(株) 中央研究所 入社
  • 1979-81  阪大 基礎工(浜川研)a-Si太陽電池、プラズマCVD成膜の研究                               (1979 英国 Dundee大 スピア教授&ルカンバー助教授 a-SiTFT発明)
  • 1981   a-SiTFT液晶開発スタート
  • 1984    世界初のa-SiTFTLCD量産工場(クリーンルーム)上棟
  • 1986   世界初 3インチ a-SiTFT液晶カラーTV商品化
  • 1988   英国ランク財団 「ランク賞」受賞(スピア教授、ルカンバー教授と共同受賞)
  • 1989   松下電器産業(株) ディスプレイ研究所 室長
  • 1991   世界初 15インチフルカラー a-SiTFT WS(NASAに採用、宇宙に)
  • 1994   松下電器産業(株) 液晶事業部 技術 部長
  • 1999    松下電器産業(株) ディスプレイ開発センター 主担当(液晶)
  • 2006     松下電器産業(株) 次世代ディスプレイ開発室 室長(OLED)
  • 2010.2末 パナソニック(株)  退職
  • 2010.3  エクセルシニアスタッフ 映像デバイス開発センター派遣
  • 2015.4    H i-D テック&コンサル 代表

3.農業との出会いについて

 正直、税金対策がスタートでしたが、いろんな方の話や経験を経て、安全安心な作物、入手が困難な作物などを作って家族や孫、親戚に食べて貰うのがささやかでは有りますが、楽しみです。パナソニクを完全退職したタイミングで本格的に始めました。2015年に人に貸していた0.6反の畑と、耕作放棄地1反の開墾を含め、計1.6反のから始めました。しかし人力だけで出来る規模ではないので、300坪程度用の耕運機1台を始め、草刈り機3台、工具3箱、倉庫2棟、揚水ポンプ、一輪車3台、其の他諸々の基本的な道具を買いそろえました。それでも耕作面積の半分は、手のかからない?果樹を植えています。

 2015年春ごろから、知人などを通じて先人の農業実践現場を見て回りました。パナソニックOBの鈴木さん(もっともお世話になっている農業仲間)の指導、自然農の川崎さん、中島支部長さんの親戚の穂谷の農地、杉五兵衛の体験農地、業界の先輩の新居さんの高槻農地、高校の同級生二宮さんが丹沢山麓でやる自然農の現地など見学と指導をいただきました。パナソニックの交野支部共催の自然農のグループ(主催高田さん、葉坂交野支部長も参加)に参加したり、JAのアグリスクールへ1年通ったりしました。これらで野菜づくり全般の基礎を習得したように思います。

4.最近の活動では

 今年栽培している野菜は、イチゴ、カボチャ、スイカ、マクワ、ジャガイモ(デジマ、レッドムーン)、さつま芋(紅はるか、鳴門金時)、里芋(赤芽)、生姜、アスパラ、山芋、レタス、チシャ菜、ソラマメ、エンドウ豆、キュウリ、茄子(なにわ伝統野菜の鳥飼、夏みすず)、ピーマン、枝豆、モロヘイヤ、蓮根、隼人瓜、マコモダケ、ほか。果樹は、レモン、密柑、柚子、杏子、金柑、ブルーベリー、巨峰、甘柿、梨、ポポー、イチジク、アーモンド、八朔、ビワ、グミ他が有ります。

 作付面積も当初の1600㎡から1300㎡強に減反しました。野菜類が250坪、果樹が150坪です。時間が有れば今も4-5時間は畑に行きます。一生懸命作って、美味しいもの、喜ばれたモノは作り続けますが、あまり、喜ばれなかったり、手間の割に、美味しくなかったりするのは自然淘汰的にやらなくなりますね。苺は、前作の子、孫株を育てて、毎年、美味しい実を生らせています。アスパラガスがいまだに上手く作れません。(笑)

◆おいしく育てるためのポイント

①農薬は使わない

 折角、自分で作って消費するのですから、少々の虫食いや、いびつな形は良いとし青虫は割りばしでコツコツ獲ります。防虫防除には、酢と焼酎、唐辛子等を使った自家製の液体(ストチュー)を使っています。やっぱり無農薬でやるのが基本だと思います。自分で種をまき、苗の間から、虫に出会わないように、防虫ネットの中で収穫まで育てるのが良いでしょう。水遣りを少し手抜きできるのに黒マルチで畝をカバーするのも良いでしょう。土は、真夏に日光消毒をしたり、冬の寒さに晒したりして、土中の虫や卵を殺すのがポイントです。

②肥料の選び方

 収穫量と味の両立を図るためにはタイミングのいい種蒔きや、施肥が重要です。肥料も、自分で作るのが良いと思います。ボカシ肥料など、有機基材から作った肥料をたっぷり遣れば、味は良くなります。病気にもなりにくいと思います。ボカシ肥料も植える前の土に耕うんします。花の咲くころに、株の間に置き肥し実が成ったら、畝の肩に置き肥するのが良いと思います。また土のメンテナンスのために籾殻くん炭をたっぷり鋤きこんでいます。

③灌水の方法

 基本、たっぷり、遣りますが、真夏は、暑い時間帯に散水すると、レンズ効果などで作物が煮えたりします。涼しい時間帯に散水します。一般に作物は、朝の10時頃までに水を吸い上げる活動をすると言われています。夕方、灌水するか、早朝の灌水を勧めます。土の表面が湿るだけでは不十分です。根の辺りの土が完全に水に浸かるくらいにタップリ灌水します。1日中水に根が浸っているようだと逆効果になります。1日以内に、畝間の水は見えなくなるのがポイント。その意味で、雨で冠水する畑は、水抜きの為の水路工事が必要です。

5.農業の魅力は何ですか

 生きがいになっているかも。投資はしたけれど回収の見込みは無い。しかし安全安心な食材や、入手が困難な作物などを栽培して家族や孫、親戚、友人に食べて貰うのがささやかですが、とても楽しみです。また友人との畑BBQや、ソロキャン風に過ごすのも格別です。また家族の評判も上々です。農作業には、多用な作業が必要ですが、家内も手伝ってくれています。 

マルチシートや、ネット、その他、二人でやった方が簡単で早い仕事も有りますし、女性に向いた細かな仕事も有ります。何といっても家族でできるのが良いですね。これまでやめようかと思ったことは一度もありません。止めても、誰にもとがめられることも無いし、誰かの強制でもないので、気楽に、晴耕雨読。 無理に頑張り過ぎないこと。

6.農業が長続きする秘訣は

 健康でいること・・・油断するとけがをしたり、最悪死亡事故になりますので、道具の使い方や、服装にも気を付けています。夏は涼しい間に、冬は暖かい時間に作業して、体を害さない様に気を付けています。JAのアグリスクールを受講して、野菜作りの基礎を指導いただき、大変勉強になりました。今もこれらの基本をベースに野菜作りを続けています。

まずは、やって、成功や失敗を経験する・・・次にやる時はどうするか、インターネットや、近くの農業仲間に具体的な相談をするのが良いと思います。そのためにも相談相手(農業仲間)の輪を拡げておくと色々なアドバイスが貰える。私は、JA農協高田支部に所属、浪速伝統野菜研究会、交野自然農同好会、松愛マルシェ等に参加しています。

7.最後に 

 素人が手を出しても必ず失敗する作物は有りますか・・・無いんじゃないでしょうか。真心こめて、肥料と、水を必要なだけ、多くも無く少なくも無くやり続ける事でしょう。病気や、害虫も有りますが、毎日観察していれば対処できます。農作物は人の足音で育つと言われています。

写真:堀田、中溝、記事:堀田、HP:中溝

コメント

    • 宮川 雅春
    • 2022年 6月 25日

    南抜きの良い農地をお持ちですね。
    高田辺りは昭和51年の地図に「藤田川」源流として描かれていましたが。
    堀田さんの農地からは寝屋川の源流になっているのではないですか?
    そこで質問?
    枚方は降水量の少ない地域だと思っていますが、畑の井戸は何メートル位掘り下げられているのでしょうか?
    淀川(河川敷公園)の水はそこから2km先に(消火・非常時用水として)放水できると寝屋川・枚方消防署の方が話しておられましたが、
    緊急時対応の時の一般常識として知っていきたいので宜しく教示ください。

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